2022年を締め括るのは、火星の最接近!「ふたご座流星群」も華やかに夜空を彩る

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11月の皆既月食に次ぐ2022年注目の天文イベントが、約2年ぶりとなる火星の最接近です。マイナス2.0等の明るさに達する火星の赤い輝きを楽しみましょう。3大流星群のひとつ「ふたご座流星群」は、14日夜に極大を迎えます。宵の空に輝く土星と木星に、26日から29日にかけて月が接近します。年末のひと時、夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。
今回は、12月に注目したい星空情報をご紹介します。


【12月1日】地球に最接近!赤く輝く火星が最大の観望好機

およそ2年2か月ごとに地球と接近を繰り返す火星。2022年は接近年にあたり、火星観察の好機となります。今回の最接近は12月1日11時頃で、マイナス1.9等のひときわ目を引く明るさに。12月6日から9日頃にはマイナス2.0等に達し、その後も12月下旬にかけてマイナス1.5等以上の明るさをキープします。

8日には地球から見て火星が太陽の反対側に位置する「衝(しょう)」となり、一晩中観測可能な時期を迎えます。この頃の火星は、空が暗くなり始める頃に東北東の低い空に姿を現し、真夜中に南の空高く輝きます。一晩中夜空を巡り、明け方に西北西の低い空に移動します。明るい冬の星座との共演、おうし座のアルデバラン、オリオン座のベテルギウスといった赤い星との色の違いにも注目してみましょう。

今回は、2018年の「大接近」と2027年の「小接近」の中間にあたる「中接近」。地球の軌道は円に近い形で、火星の軌道は楕円形です。そのため、地球と火星が接近する時に距離に大きな違いがうまれるのです。大接近は15年から17年に一度の割合で起こり、次回は2035年9月になります。

画像:国立天文台


【12月14日】ふたご座流星群が極大 !月明かりを避けて観測しよう

毎年多くの流星が安定して出現する「しぶんぎ座流星群」「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」は、「3大流星群」と呼ばれています。2022年のふたご座流星群の活動は、12月14日頃に極大となります。13日夜から14日明け方にかけてと、14日夜から15日明け方にかけてが、特に多くの流星が見られると予測されています。

東京の場合、14日は22時前に月の出となるため、月が高く昇る前の21時から真夜中0時頃が観測の好機となります。空の暗い場所での流星数は、1時間あたり40個から45個と予測されています。

放射点はふたご座「カストル」付近になりますが、流星は放射点の周辺だけでなく、あらゆる方向に流れます。なるべく空の広い範囲を見渡し、暗さに目が慣れるまでの15分以上は観察を続けてみましょう。

画像:国立天文台


【12月26日~30日】年末の夕刻、月と2大惑星の共演を楽しみましょう

南から南西の空に、木星と土星が明るく輝く年の瀬の夕刻。この2つの惑星に月が相次いで接近します。土星との接近は26日から27日にかけて、木星との接近は12月29日です。12月30日の上弦(半月)に向けて、日に日に変化する月のかたちにも注目してみましょう。


・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ

・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報(2022年12月)」

画像:国立天文台

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