お迎えしたのは、ガリガリに痩せていた猫 病院通いからやっと解放、「何があっても全力で守るだけ」

渡辺 陽 渡辺 陽

神社に捨てられていたガリガリの猫

パーチェちゃん(3歳・メス)は、姉妹猫と一緒に段ボール箱に入れられて神社に捨てられていた。触ると骨がはっきりと手に触れるほどガリガリに痩せていて、被毛も所々薄くなっていて、パサパサだったという。保護団体withねこのボランティアが保護して、譲渡会に出るまでになった。

埼玉県に住むYさんは、AJちゃんという元保護猫を飼っていた。シンガープーラのオス猫で、そろそろ一緒に遊べる保護猫を迎えようと思っていた。ただ、いつ、どんな子を迎えるか、そこまでは考えていなかったという。

譲渡会は土日に開催されることが多いが、Yさんは、普段は土日出勤。たまたま日曜日が休みだった時に夫と一緒に譲渡会に出かけた。

ねえ、見て!この子!

譲渡会には子猫から成猫までたくさんの猫がいた。

「どの猫も可愛いと思いましたが、やはり子猫のところにいる人が多く、子猫は決まりやすいのかなと思いました。でも、私たち夫婦は子猫でも成猫でも良くて、『あ、この子なんだな』という猫が見つかれば、その子にしようと思っていました」

Yさんが何気なく猫を見ていると、後ろから夫が、「ねえ、見て!この子!」と言って、グレーの猫を抱っこしていた。その子がパーチェちゃんだった。Yさんは、その姿を見て、「この子なんだな」と思ったという。

姉妹猫も一緒にいたが、Yさんは、ごはんやトイレの世話、医療など十分な余裕を持って飼ってあげたいと思い、パーチェちゃんだけ迎えることにしたそうだ。姉妹猫も里親が決まって幸せに暮らしている。

何があっても全力で守る

譲渡会当日の夜に急遽迎えることになったため、夫妻は慌ただしく以前使用していた3段ケージを組み立てたり、ベッドやごはんを準備した。何も知らない先住猫のAJちゃんは、久しぶりにケージに入って、楽しそうに遊んでいた。

パーチェちゃんが来ると、AJちゃんは最初は少し警戒していたが、すぐに慣れてくれて、パーチェちゃんもケージ生活を卒業して、自由に暮らせるようになった。ただ、パーチェちゃんは長い間、原因不明の下痢に悩まされた。吐いてごはんを食べないこともあった。原因がわからなかったので、Yさんはセカンドオピニオン、サードオピニオンと動物病院を巡ったが、結局、「身体が作られる大切な時期に十分な栄養を摂ることができず、身体がしっかりできあがらなかった」と何度も言われた。

「『絶対私たちが元気にしてあげなきゃ』と思ってごはんを変えたり、環境を整えたりして、お迎えから2年過ぎた頃、やっと病院通いから抜け出すことができました」

パーチェちゃんは、通院するうちに右後脚に骨折の痕があることが分かった。

「いますぐ手術する必要はないのですが、高いジャンプはできません。また、シニア期以降、もしかしたら脚が不自由になるかもしれないと言われています。でも、もう何もかも含めて可愛い、可愛いパーチェ。何かあっても全力で守るだけです」

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