Twitterに投稿された一枚の猫の画像が話題になっています。2匹の猫が肩を並べ合って窓の外を眺めている姿には、ただ一言、「かわいい」という言葉だけが添えられています。頭がカーテンに隠れているので、全く表情は伺えないのですが、それゆえに「何を見ているのだろう」とか「何を話しているのだろう」という想像力を掻き立てられます。
リプ欄には、「隣で一緒に並んで見てみたいけど、嫌な顔されそうだからやめときます」、「可愛い!色違いのペアルックで何を話してるんでしょうね」という反響があり、「いいね」は1.8万件を超えました。投稿したのは、飼い主のなつあつさん(@gigichapo)。猫の名前は、てんちゃん(茶とら)とむぎちゃん(キジトラ)というそうです。2匹がどんなことを話しているのか、飼い主さんに聞きました。
ーーどちらもオスですか?
「そうです。生後8ヶ月くらいです」
ーー2匹揃って何を見ているのでしょうか。
「飼い主的には家を守ってくれていると思いたいのですが、外で音がすると2匹で仲良く見に行っています。この時、何を見ていたのかは、てんとむぎに聞いても教えてくれないのでよく分かりません。でも、この写真にたくさんの人がコメントをくださって、コメントをいただく度に『そういう風にみえるのか~』、『そうだったら面白いな~』と楽しめました」
ーーとても仲が良さそうですが、どちらも保護猫なんですか?
「てんとむぎを保護したのは、18年近く一緒に過ごしてきた白猫が4月に亡くなり、家族でまだまだ悲しんでいた時でした。うちの近所では何年も子猫を見たことがなかったのに、突然子猫の声が聞こえ始めたんです。その時は、まだ保護しようとは一切考えていませんでした」
ーー何か転機があったのですか。
「2匹を確実に保護しなければと思ったのは、買い物の帰りに道路の真ん中で2匹が遊んでいたのを見た時です。とにかく危ないと思い、逃げ回る2匹を車が来ない方に誘導するのがやっとでした。その後は、いざ捕まえようと思ってもなかなかうまくいかず、素早い2匹を同時に捕まえるのは無理だと思いました。初めて私にお尻を向けた1匹(てん)をまず手で鷲掴みにして保護して、翌日動物病院に連れていきました」
ーーむぎちゃんはひとりぼっちになってしまったのですか。
「てんを保護した翌日は朝からずっと雨でした。目の前で人間に捕まる兄弟を見てしまったから、むぎはもう近寄ってこないかもしれないと思いました。しかし、むぎは玄関の前に保護用に設置していた段ボールの中に入っていたのです。雪混じりの雨が降る中、私は、自分の存在を消すために、裸足になり四つん這いで距離を詰め、段ボールの蓋を閉めました」
ーー2匹は再会できたのですね。
「家の中で再会させると、それまで静かだったてんがむぎの声を聞いた途端すごく鳴き出しました。私は、2匹をちゃんと保護できて本当によかったと思いました」
ーーそれは良かったですね。それぞれどんな子なのですか?
「性格はてん(茶トラ)の方が誰にでも警戒心がなくやんちゃで甘えたがりです。むぎ(キジトラ)は警戒心がまだありますが、2匹の先住猫にはかまってもらいたいみたいです」
飼い主さんは、てんちゃん、むぎちゃんの全てが可愛いのだと言います。
「もう写真を見ているとかわいいしか言えないですね!いろいろ悲しいことが続いて、家族が沈んでいた時に現れてくれた2匹。本当に感謝しています」