お別れのその時まで側に…「犬の十戒」読み聞かせに聞き入る子どもと涙で声が詰まるママ…「命の教育、本当に素晴らしい」と感動の声

鶴野 浩己 鶴野 浩己

子犬を迎えたファミリーのママが、幼い子どもたちに「犬の十戒」を読み聞かせる姿に注目が集まっています。

「犬の十戒」とは、作者不明のまま世界に広まったとされる短編詩。「飼い主への10のお願い」が犬視点で語りかけるように綴られており、英語の原文は世界中の言語に訳されています。犬も傷つき、痛みを感じる存在であること、そして相手を許すことの大切さなどを改めて教えてくれるこちらの詩は、数年前からSNSを中心にネットで急速に広まり、犬の十戒をモチーフとした絵本や映画も作られています。

ひとり親として、長女の「みーたん(6歳)」、長男の「ゆーみぃ(5歳)」を育てるAYAKO(@ayako_mercipico)さんは、子どもたちに寄り添ってくれる新しい家族として子犬を迎えることを決意。「シロ」君と名付けたその子をTikTokで紹介したところ、フォロワーさんから「犬の十戒」を教えてもらったそうです。

そこで早速ネット検索し、「犬の十戒」をプリントアウト。「生き物を飼うことの責任と、命の尊さを学んでほしい」との思いから、子どもたちに読み聞かせることにしました。

動画には、犬のイラストと共に綴られた十戒を、子どもたちの目を見ながらゆっくりと朗読するAYAKOさんの姿が。「時々、私に話しかけてください」「あなたがしてくれたことを私は決して忘れません」…ひとつずつ読み進められる十戒に、みーたんもゆーみぃも静かに耳を傾けています。

そして10個目の「つらくて見ていられない、立ち会いたくないなどと言わないで…」と語る「最後のお別れ」へのお願いでは、読み聞かせているAYAKOさんが涙で声を詰まらせてしまう場面も。そんなママを見て、「大丈夫だよ」というように子どもたちが笑いかけます。

家族と命への温かさがにじみ出るこの投稿には「命の教育、本当に素晴らしい」「犬の気持ちと、感情のこもった読み聞かせ。感動して涙が流れました」「お子さんたち最後まで真剣に聞いてくれて素敵です。とても大事なことだとわかっているのですね」などの声が寄せられ、動画は現在までに33.5万回再生を突破。今も拡散が続いています。

AYAKOさんに、みーたん、ゆーみぃ、シロとの毎日について聞きました。

――子どもさんたち、ママの読み聞かせを静かに聞いていましたね。

すべてを理解するのはまだ難しいかもしれませんが、以前飼っていたハムスターを思い出し、「こんな風に感じていたんだね」と言っていました。わかり合おうとする気持ちの大切さは伝わっていたように感じます。

――AYAKOさんも最後は声を詰まらせていました。

ミニチュアダックスとハムスターを看取った経験があるので、その子たちと一緒に過ごしていた時間を思い出して涙が溢れてしまいました。子どもたちは私が泣くのを初めて見たのですごく驚いていて、お友達にも「ママが泣いたんだよ!」と話していたみたいです(笑)。

――ママの涙から、十戒が伝えたいことをさらに理解できたのかもしれませんね。読み聞かせを終えたあと、子どもさんたちの様子はいかがでしたか?

ハムスターの火葬を思い出し、「いつかシロたんも死んじゃうの?」「寂しい」「悲しい」と言っていました。そして、シロのことをまだ少し怖がっていたのに、夜寝るときに突然みーたんが「シロたん一人で寝るのかわいそう」と泣き出し、その日から同じ部屋で寝るようになりました。

――シロ君の気持ちを想像してくれたのですね。さらに仲良くなれそうですか?

シロの甘噛みをまだ少し怖がってはいますが、二人とも「仲良くしたい!」と、声をかけるなどしてよく面倒を見てくれています。子どもたちにとっては弟ができた感覚のようで、一人でのトイレが不安だった息子も、「僕一人でできる!」と自立できました。シロのおかげで、家がさらに明るくなったと感じています。

――そんなシロ君の思いを代弁しているような十戒の読み聞かせでした。普段からよく読み聞かせはされているのですか?

安心して眠るためのコミュニケーションのひとつとして、また、想像・発想力豊かに育ってほしいという思いから、寝る前はなるべく絵本を読むようにしています。「犬の十戒」は命を粗末にしないという、人としてとても大切なことを教えてくれました。

――投稿にはコメントもたくさん寄せられました。

「昔飼っていた犬にちゃんと愛情を注げていたのかと考えさせられた」など、ご自身の行動を見つめ直すきっかけになったという方が多く見受けられました。また、「動物を迎える人に読むことを義務付けてほしい」など、生き物を大切にしたいと願う方がたくさんいらっしゃったのも印象的でした。

「シロは大切な家族。子どもたちと兄弟のように育ってほしい」と話すAYAKOさん。思いが溢れる読み聞かせは、きっと子どもたちの心にも深く響いたはずです。

日頃から、自身の経験や反省をポジティブに変換して子どもたちに伝え続けているというAYAKOさんのSNSには、犬の十戒以外にも、「大切なこと」を伝え、学び合うファミリーの姿がたくさん投稿されています。気づきや共感の多いアカウントなので、興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。

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■TikTok

https://www.tiktok.com/@ayako_mercipico

■Instagram

https://www.instagram.com/ayako_mercipico/?hl=ja

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