動物愛護センターから引き出された子猫兄弟 譲渡サイトで見初められ、仲良く幸せに

渡辺 陽 渡辺 陽

いつか猫を飼いたい

テオくんとチャオくん(ともに1歳4カ月・オス)は、名古屋市動物愛護センターに収容されていたのだが、2020年5月、保護活動をしている「あさひねこ」が引き出した。茶トラ2匹とグレー1匹の3兄弟だった。

愛知県に住む高田さんは猫が大好きで、実家では子供の頃から猫を飼っていた。結婚後も「いつか飼いたい」と思っていたが、自宅で教室業をしているため躊躇していたという。

「買い物ついでにペットショップの猫を見たり、飼う予定もないのに保護猫サイトをチェックしたりしていました。でも、『いつか飼うなら保護猫にしよう』『できればグレーの子がいいな』と夢を描いていました」

一方、夫は以前から「犬を飼いたい」と言っていたが、SNSでは可愛い猫の動画ばかり見ていたので、高田さんは「本人は気づいていないけど本当は猫が好きなんだ」と感じていたという。

1匹だけのつもりが

高田さんがいつものように里親募集サイトを見ていたら、なかなか見かけないグレーの子猫がいた。しかも、保護主はとても近所に住んでいた。

「これは運命!と思い、すぐ夫に話してとりあえず会いに行くことになりました」

2020年6月、高田夫妻は子猫と初めて対面した。

「もう、会うとダメですね、かわいくて…既に『飼う』という気持ちは固まっていました。グレーの子だけのつもりだったのに、兄弟離れ離れにするのはかわいそうだね、茶トラの子も可愛いね、1匹も2匹も変わらないよね、1匹じゃ寂しいよね…などなど、2匹引き取る口実を自分たちでつくっていました」

3兄弟で一緒に引き取れたらよかったが、保護主は「まだ猫風邪も治ってないし、身体も小さい。もう数週間様子を見て、他の猫ちゃんとペアで里親募集します」と言った。

「保護主さんのところには、他にも保護された子猫が7匹いました。みんな連れて帰りたいくらい可愛かったです」

物おじしない子猫たち

6月27日、テオくんとチャオくんは保護主が届けてくれた。2匹はひとつのキャリーバッグに仲良く入っていた。キャリーバッグを開けると飛び出てきた2匹。怯えることもなく元気に室内を探検し始めた。

1週間のトライアルを経て、テオくん、チャオくんは、正式譲渡された。

里親になると決まってから、どんな名前にしようかと、苗字に合う名前の画数まで調べて数日悩んだという。

高田さんは、「テオ」という名前がカッコいいと思った。調べてみると由来はギリシャ語で「神の贈り物」という意味だったので、これに決定。チャオくんは、「やぁ!」と陽気な感じが気に入って命名したという。

テオチャオを迎えて幸せいっぱい

テオくんは、やんちゃで運動神経抜群。食いしん坊で、チャオくんの分も食べるのにスリムなんだという。最近は「ゴロンは?」と言うと、ゴロンと寝転ぶ。ソファに座っている父さんの膝の上が好きだ。テラスでセミなどの虫を捕まえるのが得意だが、鳥を仕留めたこともあり、高田さんは驚いたという。

一方、チャオくんはおっとりマイペースの優しい子。おもちゃもごはんもテオくんに取られそうになると譲ってあげる。抱っこはあまり好きではないが、「撫でて〜」と甘えてくる。特技は「真剣白刃取り」なんだという。

2匹を迎えて、夫婦の会話はテオチャオのことが中心になった。

「猫には人間を健康にする効果があるそうで、幸せホルモンが分泌されたり、猫のゴロゴロ音が自律神経を整えてくれたりする説を知り、ちょっと納得しました。夫は疲れた時に蕁麻疹が出るのですが、それも出なくなりました。2匹を眺めては夫婦でいつもニコニコしています」

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