行方不明の犬、自宅から飛び出して1年経過「連れ去りか」「保護されたか」 今も探し続ける飼い主の思い

渡辺 晴子 渡辺 晴子

橫浜市内で昨年7月下旬ごろ、突然家から飛び出し行方不明になったシーズー犬のハックくん(雄・当時2歳)。1年が過ぎた今も諦めず飼い主さんはTwitterなどを通じて情報を求めています。

飼い主さんによると、いなくなった直後から、チラシを配布したり迷い犬の掲示板に掲載したりするなど懸命に捜索。さらに、警察にも迷い犬の届けを出したほか、迷い犬猫なども保護される動物愛護センターや動物の死体を扱う資源環境局事務所にも問い合わせましたが、これまでにハックくんの行方は分かっていません。

また、自宅から約1キロ離れた住宅街でいくつか目撃情報などがあり、届けを出した警察からは「誰かに連れ去られた可能性がある」などと告げられたそうです。

飼い主さんは「私たちの家から少し離れた場所でハックのような犬を見掛けたという情報をいただいたほかには、今のところ有力な情報はありません。ハックは病気を持っており薬を飲んでいました。回復してきたころだったのですが、薬を飲んでいないかと思うととても心配です。もしどなたかが保護をしていただいていたら、命を救っていただいたことに感謝します。でも、ハックは私たちの家族です。そっとご連絡いただけたら幸いです」と訴えます。

行方不明のシーズー犬「ハック」くん 昨年7月下旬の夜、雷に驚いて家から飛び出した

ハックくんがいなくなったのは、昨年7月26日の夜。午後8時半ごろ、雷に驚いて家の玄関のプリーツ網戸の下をくぐって外へ飛び出したといいます。飼い主さんは深夜まで近所を探し回りましたが、見つからず。帰宅後「明るくなったら戻ってくる」と信じ、朝まで待ちましたが戻りませんでした。

いなくなった翌日には警察署へ迷い犬の届けを出したほか、迷い犬のチラシを作成。最寄りの駅や近所のコンビニやスーパー、飲食店などにチラシの掲示をお願いしたそうです。また、インターネットを使って迷い犬の掲示板に載せてもらったり、Twitterを始めたりと、ハックくんの情報を求めました。そして、数週間経ったころ、犬の目撃情報が寄せられたといいます。

「ご連絡をいただいたのは、自宅から約1キロ離れた住宅街に住む方からでした。1つは、ハックがいなくなった当日の夜、犬がご自宅の前を走って、近くのマンションに入って行ったところを目撃したというもの。マンションのご友人を通じて、マンションの管理人さんに防犯カメラにハックが映っていないか確認したいことをお願いしたのですが・・・2週間ほど経っていて、既に映像は残っていませんでした。

もう1つもマンションの周辺で同日夜、道路で車に犬を乗せている人物を目撃したという情報。その方は暗くてよく見えなかったそうですが、犬を車に乗せている様子に違和感があり、後日私の作ったチラシを見て思い出してご連絡をいただきました。いずれも目撃された日が迷子になった当日で時間帯も合い、家からも近い場所だったのでハックではないかと思いました」

保護団体「犬猫の連れ去り事案が増えている」 連れ去ったあとに遺棄する人も・・・

そこで、「誰かに連れて行かれたのでは・・・」と思ったという飼い主さん。警察に届け出て相談した際も「連れ去りの可能性が高い」と言われ、「特に小型犬の純血種は連れて行かれることが多い」と聞いたそうです。また、Twitter上でも「連れ去りが多い」というコメントが寄せられたといいます。

「警察やTwitterユーザーの方からも『連れ去りが多い』という情報を教えていただきました。地元の保護団体の方にも伺ったら、やはり猫も含めて連れ去る事案が増えているそうです。自分の飼い犬や猫にしてしまうこともあれば、虐待目的であったり、あるいは売ったりする人がいるとか。中には、飼い犬にしながらも懐かなかったり飽きたりして遺棄する人も・・・そんな事実を知って、長年犬を飼ってきた我が家では連れ去られるような経験はなかったので、とても驚きました」

とはいうものの、ハックくんが連れ去られた証拠はありません。目撃情報だけ・・・ただ、ハックくんに該当するような迷い犬や動物の死体が見つかったなどの情報はないため、「どこかで生きているはず」だと信じているという飼い主さん。「もしかすると、優しい方に保護されて大切にされているかもしれません」と話します。

   ◇   ◇

薬を服用中だったハックくん、徐々に病気も回復していたところだった・・・

ハックくんをおうちに迎えたのは、生後7カ月のとき。当時しばらくして体にしっしんが出るなどあまり体調が良くなかったといいます。

「子犬なのに老犬のようにおとなしく、あまり遊ばない。食欲もありませんでした。『おかしいな』と思って、動物病院に連れて行きましたが、初めは原因が分かりませんでした。しだいに肌がボロボロになるほどしっしんがひどくなって。病院でいろいろな検査を行った結果、ある病気が判明。薬を処方してもらったら、徐々に元気になってきたんです。掛かりつけの獣医師さんから『元気になってきたね。もう大丈夫かな?でも薬はあと半年飲まないとね』と言われ、安心したところでした」

そんな病状が回復してきた矢先に、ハックくんは家から飛び出し行方不明となったのです。また、今年2月にはもう1匹の愛犬の死も直面しました。

「さとちゃんというハックと同じシーズー犬の女の子を飼っていました。元保護犬です。昨年リンパ腫と分かり、2月に7歳で病死しました。私たちと過ごしたのは、5年半くらいと短い間でしたが・・・優しい子で楽しい思い出や経験をもらいました」

大切な2匹を失い、喪失感と悲しみにくれているという飼い主さん。だからこそ、今もハックくんが戻ってくることを信じています。

「ハックは体調が悪いこともありましたが、我が家の家族になって、少しずつ人の言葉も覚えてコミュニケーションも取れるようになり、それなりにしつけをしていろいろなことを覚えてくれて、思いやりのあるしっかりした子に成長していました。病気もあったので大切に大切に育てていたのですが・・・それに、おうちに迎えた際に体調が悪かったこともあり、ほとんど写真を撮っていなくて、こんなことになるならばたくさん撮っておけば良かったと思います。

突然ハックがいなくなって1年経ちますが、生き別れほどつらいことはありません。日々ハックを思って過ごしています。もし保護された方がいらっしゃるのであれば、ハックが雷に驚いて心細くしていたところを保護していただいたことに感謝しています。でも、どうか私たちのところに戻していただけたら・・・」

   ◇   ◇

ハックくんは当時、体型は細長く、体重は5.5kg。去勢済。特徴は背中に茶色部分、背骨に沿って一本線の白い模様があります。また、4本の足が少し変形。 性格は、少し臆病なところもありますが慣れると人懐こく、人の言葉をしっかり理解しています。ボールや追いかけっこが大好き。ドッグフードは好き嫌いがあります。人間の食べ物も大好きですが生臭いものは嫌いです。

お心当たりのある方は、Twitter(@cPh7dKB1qGmnfgr)までご連絡ください。※いなくなったのは、横浜市港南区。

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