段ボール作家として国内外で活躍する大野萌菜美(オオノ・モナミ)さん。段ボール工作を始めてから、今年7月で10年目を迎えました。その記念に、Twitterでは自作のガンタンク(※)を身にまとい披露した写真とともに「次の10年も作れているようにがんばろう!」と意気込みをコメント。リプ欄には「おめでとうございます」「いつも感動をありがとうございます」「ガンバれー!」などと多くのファンから声援が寄せられています。
投稿写真のガンタンクは広告スタジオの注文で、半日で作ったとか。そんな忙しい日々を送っている大野さんに工作を始めたきっかけやこれまで手掛けてきた作品たちのこと、今後の目標などについてお話を伺いしました。
大学生のころ、欲しいものが買えなかったから・・・段ボールで作ってみた!
大野さんが段ボール工作を始めたのは、大学生のころ。当時、欲しいものはいっぱいあったのに買えなかったため、段ボールで作ってみようと思い立ったのがきっかけでした。在学中、大学で開催されたイベント前日に「明日までに大きな帆船を作って」と頼まれた際には、段ボールを使って巨大な帆船を制作。そこからはまって、段ボール工作を続けるようになったそうです。
これまで手掛けてきた作品は150点余り。特撮やアニメのキャラクターや車、食品、楽器などいろいろなモチーフにチャンレジしています。中でも思い出深い作品の1つは、大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに登場する車型タイムマシン「デロリアン」だとか。「いろんな人に誉めてもらえてうれしかった」という大野さん。さらに、戦車ばかりを作っていたときには「戦車ファンのおじさんたちに本物の話をいっぱい教わった」と笑顔で振り返ります。このほか、段ボールでご自身のスニーカーを作って、実際に履いて大学に行った経験もあるそうです。まさに、段ボールは大野さんの人生とともに歩んできた“相棒”のような存在。
ラピュタの「壊れて動かなくなったロボット兵」を制作
最近手掛けた作品は、ジブリ美術館の屋上に展示してある「壊れて動かなくなったロボット兵」(天空の城ラピュタ)を段ボールで再現したもの。ジブリ美術館の屋上で実物の写真を撮り、図面なしで3カ月ほどで仕上げたとのこと。再現するのに「全体のプロポーションどりが一番大変でした」と苦労した点を挙げつつも、「細部を作っているときは楽しくて、いつまでも終わりたくない」と作業を楽しんだといいます。完成後、実物を作ったジブリ公認作家・鯱丸邦生さんに褒められ「うれしかった」とも。
段ボールの魅力について「大事なモノを保護するための箱なのに、ぬれただけでダメになってしまうところが、はかなくて可愛いと思います」と大野さん。今後作りたいものは「今回作った『壊れて動かなくなったロボット兵』のような『壊れてしまった機械・兵器』などを作りたいです」と話してくれました。
※ガンタンク・・・「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器
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大野さんの作品は、SNSやイベントなどで公開しています。
■Twitter:「大野萌菜美」(@ダンボール@mbrid02)
https://twitter.com/mbrid02
■Instagram:「大野萌菜美」(@monamincb)
https://www.instagram.com/monamincb/
■Facebook:「大野萌菜美」
https://www.facebook.com/monami.ohno
■HP:「MON AMOUR MONA ROOM」
https://mbrid01.wixsite.com/monamour-monaroom
【大野萌菜美さん・プロフィール】
1991年、和歌山県生まれ。大阪芸術大学キャラクター造形学科卒業。在学中よりダンボールで物を作り始め、絵画教室の講師も務める。大学2年時である2012年「NPO法人南大阪南大阪地域大学コンソーシアム」主催の「南大阪の歩き方発表会」にて優秀賞受賞。2013年には「大阪芸術大学展示プロジェクト京2013 」にてキャラクター造形学科賞などを受賞。数々の雑誌掲載やイベントに出展。同年、夏には台湾の「小琉球正好友生態環保旅店」に作品を出展し海外進出も果たす。