ベビー・子ども服の縫製工場「小倉メリヤス製造所」(東京都墨田区)が5月14日から販売を始めたマスク「メガ布マスク」が話題となっている。初回販売560枚、2回目6000枚が完売。大きな顔の人専用で作ったものの、なぜか女性たちから注文が寄せられているらしく…。
コロナ禍で仕事がゼロに
ベビー服の相手先ブランドによる生産(OEM)を行う同社。主な取引先は百貨店ブランドのため、新型コロナ禍での営業自粛をもろに受け、仕事は激減した。
社内の従業員たちのためにも何とか仕事を作りたいと思っていた矢先、地元や取引先企業から「社員に渡すマスクがない。作ってほしい」という声が寄せられた。迷うことなくマスク作りに着手し、「洗える布マスク」が完成した。
企業や団体向けに販売を開始したところ、繰り返し使えることに賛同した環境意識の高い企業や病院、歯科などから注文が入り始めた。2カ月間の販売数は52000枚。100枚単位の販売にも関わらず、中には個人で購入し「近所で分けます」という人も現れた。
「メガ布マスク」誕生秘話
顧客の声で生まれた「洗える布マスク」が好調になるとともに、「これの大きなサイズがほしい」という新たなリクエストが入り始めた。実は、自称「顔が大きい」という同社社長の小倉大典さん自身、普通サイズのマスクでは「小さいし、暑い」という不快さに悩まされていた。小倉社長にヒントをくれたのは、見慣れた地元の光景だった。同社の所在地は「相撲の街」両国。小倉社長は近所を行き来する力士たちの窮屈そうなマスク姿を見て思い立った。「顔の大きな人にも快適なマスクを作ろう!」。
思わぬ層から予想外の注文
こうして完成した同社マスクの第2弾「メガ布マスク」のサイズは、縦14センチ、横21センチ。とにかくデカい。政府が全国に配布中の布マスク(通称アベノマスク)2枚分とほぼ同サイズだ。
マスク表面には制菌加工メッシュ生地、内側には接触冷感生地「クールマックス」を使用。第1弾と同様、手洗い可能で繰り返し使える。
小倉社長も「大きくて、ひんやり。立体型なので息もしやすい」と悩みをすべて解決した納得の仕上がり。5月14日の初回分560枚は即完売。2回目の6月10日発送分6000枚も予約で完売した。
予想外だったのは、女性からの注文が多いこと。「日焼けしたくないという女性たちから、たくさんの注文をいただいています」(同社)。顔をたっぷりと覆いながらもフィット感があり、安心感もあるという。これなら小顔に見える効果も期待できそうだ。
気になるのは、女性には大き過ぎるのではないかということ。同社マスク担当の小倉愛依さんに尋ねると「ゴムを短く結び直し、ギャザーを寄せる感じにしてもらうと、顔へのフィット感が増します。女性でも大丈夫です」とうれしい返答だった。
1枚1320円(税込)。1枚から購入可能。3回目の予約は現在受け付け中、6月20日から順次発送。販売サイト(https://nuuiee.base.shop/items/29763296)
◆自分に合うマスクのサイズは?
ところで市販のマスク。みなさんは自分にぴったり合うサイズを選べていますか? 一般社団法人日本衛生材料工業連合会のホームページに掲載された「自分に合うマスクのサイズの測り方」を紹介します。
(1)親指と人差し指でL字型を作る(2)L字型にした状態で、耳の付け根の一番高いところに親指の先端を当て、鼻の付け根から1センチ下のところに人差し指の先端を当てる(3)親指から人差し指までの長さを測る。測った長さが、9―11センチ→子供用サイズがおすすめ/10.5―12.5センチ→小さめサイズがおすすめ/12―14.5センチ→ふつうサイズがおすすめ/14センチ以上→大きめサイズがおすすめ。