不妊手術をしてリリースされるはずだった野良猫の凛ちゃん。あまりにも人懐っこいので、譲渡されることになった。当初、凛ちゃんの里親になるはずだった友人が事情により飼えなくなるというハプニングがあったが、しっかりと幸せの切符をつかんだ。
縁あって迎えた猫
横浜の都筑区に個人で保護猫活動をしている友人がいた。凛ちゃんは、捕獲後、不妊手術をしてリリースする予定だったので、サクラ耳にカットしていた。しかし、あまりにも人懐っこいので悪意のある人に連れていかれる可能性もあり、その人が保護して里親を募集しているとFacebookに投稿していた。2018年12月のことだった。
当初、保護主さんの友人が引き取る予定だった。しかし、その人がペット不可の物件に住んでいたため、翌年1月にペット可の物件に引っ越すまで、白鳥さんが一時預かることになった。ところが、その友人が事情により引き取れなくなり、白鳥さんが凛ちゃんを飼うことになった。
3匹が限界だと思ったが・・・
白鳥さんは3匹の猫を飼っていたので、凛ちゃんを引き取る時に少し考えた。白鳥さんは、家族一人につき猫2匹までが災害時に対応できる限界だと思っていた。
「マンションの高層階から下まで降りるのに、体重で考えた場合、万一夫がいない時でも3匹までなら私一人で大丈夫と思って3匹目を迎えたんです。でも、さすがに4匹ともなると、何も荷物を持たず猫だけ抱えて逃げる覚悟が必要でした」
白鳥さんの心配はそれだけではなかった。時々人の猫を預かることがあったが、家の中に猫が4匹以上いると、みんなピリピリするのを感じていた。
「4匹になるとストレスフルな感じでした。新しい猫を迎える側がびくびくしていたんです。凛ちゃんが来て、ぎくしゃくしながらも猫同士でなんとかうまくやっている感じがします」
性格は、The女子!
お兄さん猫のことらくんは、どんな猫が来てもマイペース。凛ちゃんを余裕で受け入れている。もう1匹のラックくんは、お兄ちゃん風を吹かせたくて凛ちゃんに自分から近づくが、シャーっと怒られたり、ペシっと叩かれたりして失敗する。ラックくんは、攻撃されるのを避けるため、凛ちゃんの近くを通る時は速足になる。
月齢が近いお姉さん猫のコロンちゃんは、「許せない!私が一番年下だったのに。私、お姉さんになりたくない。なんで来るの?お母さんの膝を取られてしまう」とでも言っているようだった。白鳥さんには、「私、複雑~!お姉ちゃんになりたくない」と目で訴えてくる。
凛ちゃんは飼い主さんとべたべたしていたい甘えん坊。先住の3匹の猫たちは、凛ちゃんが寝て白鳥さんの膝が開くのを待っている。
我が物顔に振舞う凛ちゃんだが、「神仏猫」「神猫」とも言われている。保護主さんのところでは、ずっと仏壇のところにいて、友人のところでは位牌のあるところにいた。白鳥さんの家では、神棚に乗っている不思議な猫なのだ。