千と千尋の名シーン実写化、湯婆婆に名前を奪われる~! 文字飛ばし35テイクの奮闘「浮遊感がすごい」

山脇 未菜美 山脇 未菜美

ジブリ映画「千と千尋の神隠し」の名シーンを実写で再現した映像が、SNSで話題を集めている。主人公の千尋が異世界に迷い込み、魔女の湯婆婆に働きたいと願い出る場面。契約書に自分の名前を書くと、湯婆婆が名前を分解して「千」の文字だけを残し、「今からお前は千だ」と言って名前を奪ってしまった。映像は14秒で、CGや加工は使わず、板の上に置いた「萩野千尋」の文字を飛ばし、計35テイクを撮影した労作。完成度の高さに「浮遊感がすごい」「映画と一緒だ」の声が寄せられている。

磁力、重力だけで文字飛ばし

制作したのは、X名・パロディSENさん(@ParodySEN)。東京都在住の50代男性で、仕事はシステムエンジニア。趣味で合成動画を作っており、千と千尋の実写化は昨年11月に思い立ったという。「以前からCGを使った千と千尋のパロディをやっていて、千利休を千にしたり、逆に四千頭身を四頭身にする動画を作ったものの、ウケはイマイチ(笑)そんな中、SNSで流れてくる作品を見て、実写化したらウケるかもと思った」と男性。仕事後や休日を使って、作り始めた。

まず用意したのは、文字。厚さ0.5ミリのゴム板をデザインカッターで切り抜き、それぞれの文字を糸と木工用ボンドでくっ付け、パーツ同士が離れないように接着した。「不慣れな作業で失敗を繰り返しました。文字の接着も、老眼な私には厳しかったです」と振り返る。

最大の難関が、磁力と重力だけで文字を飛ばす方法。板に磁石を3つ埋め込み、文字の裏側にはマグネットシートを貼り付けた。「千」の文字は板にくっ付いたままにしながらも、他の文字は順番に離れるようにしなければならなかったが、なかなかうまくいかず…。「磁力の力が強すぎると離陸に失敗するので、何度も磁力を微調整するのに時間がかかりました」。並行して、文字を飛ばす練習も自宅で繰り返した。

そして1月6日、近所の公園で黙々と撮影し、35テイク目で完成。一人で怪しい動きをする男性に、「見たことない動きをしていたけど、何をしているんですか?」などと散歩している人に聞かれる場面もあったという。

動画は、金曜ロードショー「千と千尋の神隠し」の放送日に合わせて投稿すると、大反響に。「文字の位置がこうだったらいいなとか、理想を言えばきりがないんですが…。みんなにすごいって言ってもらえて、うれしかったです」。

パロディSENさんは、Treadsを中心に活動を報告している。

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