借金25億→年商32億円、スーツで登山するユーチューバー社長 スキージャンプ、マラソン、サーフィン…若手芸人並に体を張る理由は

山脇 未菜美 山脇 未菜美

スーツに革靴で登山に取り組むユーチューバー社長がいる。全国に47店舗を展開する「オーダースーツSADA」の佐田展隆さん(48)。20年前まで会社は借金25億円を抱えていたが、改革を重ねて年商32億円に持ち直させた敏腕社長だ。ユーチューブを始めたきっかけは、「スーツのよさを知ってもらうために、スーツを着て体を張ってみたら?」との社員の声。足の裏が豆だらけになりながらマラソンに挑戦したり、スキージャンプで転びながらも丈夫さを証明したり…。現在は欧州最高峰のモンブランに挑戦するなど、若手芸人並みに無茶をしている。

社員「次はどんな無茶ぶりさせよう」

元は卸売り店で、2000年に大手取引先「そごう」が破綻するなどして借金を抱えたSADA。03年、当時29歳の佐田さんは繊維メーカーに勤めていたが、2代目の父に呼び戻され、再建を目指すことになった。若い人に手に取ってもらおうと、フルオーダースーツ1組2万円台という破格値を提示し、卸売りから直販に転換。掟破りの業態改革で商品は売れたが、業界から誹謗中傷が殺到して社長を退任。11年に再び復帰すると、従業員の提案でユーチューバーを目指すことになった。

「これからは動画マーケティングの時代!登山が趣味の社長がスーツで富士山を登ったらウケそう」。社員たちは盛り上がり、佐田さんはあれよあれよと撮影するはめに。革靴の中に小石が入りながら登頂する映像を投稿すると、取材が殺到。社内は「次はどんな無茶ぶりをさせよう」と企むようになったという。

フルマラソン後も商談可能!?

水中のダイビングもスーツで行い、船に上がった際に「ゲリラ豪雨に遭ったくらいの感じで、耐久性は全然大丈夫です」と笑顔。42.195キロの東京マラソンも完走した時には「しんどかったですね。でも見てください。このまま商談に行っても失礼ないクオリティを維持できると思いませんか」とさわやかに力説。スーツの魅力について「ウール100%なので、保温性も高く暑さにも強い。強度も高く、濡れてもさっと乾いてくれる。マスターキートンというサバイバル漫画がありますが、主人公が砂漠スーツを着ていく場面でも万能さ証明されていますよね」と語る。

8月4日からは、モンブランの登頂に挑戦中。X(旧ツイッター)では、スーツにアイゼン、ヘルメット姿で登る様子を実況している。

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