300匹もの多頭飼育崩壊から救出 天真爛漫なペギニーズは右目にハンデ 「里親探しは長期戦になる」とスタッフは覚悟した

松田 義人 松田 義人

2023年、とある地域で多頭飼育崩壊が起こり劣悪な環境から300匹ものワンコが保護されました。そのうちの1匹がペキニーズのメス「ネリちゃん」。くったくのない笑顔が印象的なネリちゃんですが、生まれつきなのか、何かの事故なのか、右目に重いハンデがありました。

ハンデがあるワンコは、健康なワンコに比べどうしても里親さんとのマッチングのハードルが上がるものですが、しかし障がいがあるからと言って殺処分させるわけにはいきません。ネリちゃんの存在を知ったワンコの保護・譲渡活動を行う団体SORA小さな命を救う会(以下、SORA)では引き出すことに決め、世話をすることにしました。

大人しくマイペース。天真爛漫で好奇心旺盛

ペキニーズは「マイペースさと怖いもの知らずの勇敢さを兼ね備えた犬種」と言われます。ネリちゃんもまさにそのままで、おとなしくマイペースな一方、天真爛漫で好奇心旺盛な性格。SORAに提携する預かりボランティアさんの家に預けられてからは、家の中のあちこちをクンクン、スタッフの顔にも近づいてクンクンと、いろんなことに興味津々の様子。

劣悪な環境で育ったワンコの中には人間不信となり、なかなか心を開かない子がいるものですが、ネリちゃんは当初から警戒することなく心を開いている様子でした。

ネリちゃんの唯一苦手なものは…

いたって明るく性格良好のネリちゃんですが、唯一苦手なことが。それは「早起き」。朝が来てもぐっすり眠ったままで、預かりボランティアさんが起こすと、右目をショボショボさせながら「えぇ?もう起きるんですか。まだ寝ていたいんですけど」といった表情を浮かべます。

寝起きの悪さの一方、朝ごはんの匂いがすると一変。シャキーンと立ち上がり「早く食べたい。早くちょうだい」と預かりボランティアさんを急かしてきます。そんなマイペースでかわいいネリちゃんを前に、預かりボランティアさんは「大丈夫よ。もう少しだからそんなに慌てないでね」と目を細めるのでした。

「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れた

性格的に申し分のないネリちゃんですが、右目のハンデのことを考えると、マッチングにはある程度の時間がかかるだろうと見込まれていました。しかし、そんな心配は杞憂に。里親募集を始め、譲渡会などにも参加した結果、比較的早い段階で「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れました。

ハンデを抱えつつ劣悪な環境で過ごしてきたネリちゃんですが、そのくったくのない愛くるしい性格によって、見事幸せをつかみました。

これからは優しい里親さんの温かく快適な家で不自由のない幸せな生活をおくることになります。好奇心旺盛なネリちゃんにとって新しい家、新しい散歩コース、初めての景色や匂いはとても興味深く幸せなものになることでしょう。いつまでもネリちゃんらしく楽しい毎日を過ごしてほしいと願う預かりボランティアさんでした。

一般社団法人SORA小さな命を救う会
https://sora-chiisana.org/

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