小6息子テストで70点で「満点やで!」と笑顔…その理由に絶賛の声 先生独自の採点に「個に応じた指導」「すてきな配慮」

福尾 こずえ 福尾 こずえ

 小6の息子さんと小3の娘さんを育てるタンメン (@b_ckfm、以下タンメン)さんが、「兄の、国語テストが返ってきた。」と答案用紙の画像を投稿しました。

「右上の読み仮名は、完璧。でもこの字見て?これが小6書字障害の字」。タンメンさんの息子さんは、学習障害(LD)の1種、書字障害があるのだそう。学習障害(LD)とは、全般的な知的発達に遅れはないものの、「読む」「書く」などある特定の能力の習得が困難となる発達障害のひとつです。 

タンメンさんの息子さんは「視覚から入る情報の認知が弱い」ため、うまく字が書けない書字障害(ディスグラフィア)。そんな息子さんに先生は「問2「漢字を書きましょう」は、やらなくていい」と伝えます。その結果テストの点数は…100点満点ではなく、70点満点!満点です! 

この先生の対応に「素晴らしい先生ですね。尊敬します😭」「すてきな配慮」「個に応じた適切な指導で感動」「合理的配慮の出来る先生!」と絶賛の声がたくさん寄せられました。 

この時の状況や息子さんについて、タンメンさんに詳しく話をお聞きしました。 

先生には感謝しかありません

――この答案用紙を見て息子さんの反応は?

「「満点やで!」と笑顔でした。それまでは、「国語は苦手。漢字書けないから。」と言っていたので、今回で少し苦手意識が薄れてくれたのではないかなと思います」 

――タンメンさんはどう感じられましたか?

「先生にはこちらが伝えた事(とにかく自信と自己肯定感の回復)を、しっかりとご理解頂けたんだな、と思いました。今までは、漢字の問題が書けないのはいつもの事なので、点数にこだわらず、言葉の意味など他の問題を理解出来ているかを見ていました。ですので、今回のテストを見てびっくりしました。やっぱり満点はうれしいですよね。先生には感謝しかありません」 

――この先生はどのような方でしょうか

「この先生が担任になりまだ2ヶ月足らずですが、最初にお話したときから、子どもにしっかり寄り添って考えて下さるという印象を持ちました。今回のほかにも、来年の中学進学に向けて “テストの回答をパソコンで入力する”“板書は写真を撮る”などの提案をしてくださいました。今回のテストに関しても後日お礼を言うと「え?ああ、いえいえ。」くらいの、軽ーい返事でした(笑)。先生にとっては、「彼にとって良いかな、と思ってやった事、大した事じゃない」なんだろうなと思います。それがまたすごいですよね」 

――息子さんに寄り添ってくれるとても良い先生ですね

「はい。以前も息子が宿題のプリントをなくしてしまい、代わりに新聞記事をタイピングするという自主学習を提出したところ、この先生は、一切怒らず、「失敗した先に、何が出来るか」を考え実行出来たことを、褒めて下さったそうです。認めてもらえた喜びから、息子は先生を大好きになりました」 

――認めてもらえるとまた頑張ろうと思えますよね。今までの先生はいかがでしたか?

「この先生だけでなく、全ての学年において息子は周囲に恵まれているなと感じます。書字障害に気付いて下さったのも、小1、小2と持ち上がりの担任だったんです。それまで私もそのような障害の存在すら知らなかったので、早めに対応ができて感謝しています。

ほかにも、我が子にだけマス目の大きいノートを準備したりと様々な工夫をして下さった先生。合理的配慮としてのPC使用を市内で初めて取り入れ、他の生徒さんに説明してくださった先生。その間、ずっと相談に乗ってくださったスクールカウンセラー。たくさんの方が支援のバトンを繋ぎ続けて下さったおかげで、今の先生にも届いたのだと思っています」 

――息子さんと接するうえで気をつけてらっしゃることはありますか?

「親も、失敗を隠さない、子に対しても謝る、感謝の気持ちも伝える事、ですかね。大人でも誰でも、苦手な事もある、間違えるし、失敗もする。大事なのは、「それからどうするか」だよ、「失敗しても大丈夫!」と教えています。「人より優れた何か」があろうとなかろうと、あなたが楽しく過ごしているのがうれしいし、あなたが居てくれる事が、ママとパパの幸せだよ、と伝えています」 

――息子さんはどのような性格でしょうか

「「人」が大好きな、正義感が強くて優しい子です。「将来やりたいこと」のひとつに、「自分と同じように苦しんでいる子の力になりたい」と言っています。具体的な職業などはまだ本人の口からは出ていませんが、そう考えることができる、人の気持ちに寄り添える、優しい心を持っている子です。いつまでもその心を忘れないでほしいです」 

◇ ◇

タンメンさんは、息子さんに「点数や学歴、社会的地位などにとらわれず、自分の「好き」「やりたい」「出来た」を大切に、「僕はいい感じだな」と感じて生きて欲しい」と願います。 

学習障害は、「サボっている」「努力不足」などの誤解も受けやすく、個人差も大きいことから、診断が遅れるケースも多いといいます。 

「LD」という学習障害が少しでも多くの人に広まることで、いろいろな人が生きやすい世の中になることを願います。特定の困難さは、その子にあった環境を作りサポートすることで軽減すると言われています。子どもに気になる症状があれば、早めに相談することが大切かもしれません。 

■タンメンさんTwitter https://twitter.com/b_ckfm

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