改元イヤーとなる今年、果たして“改元特需”は発生するかどうかに市場関係者の注目が集まりつつある。とはいえ、前回の改元の際には特需が発生するどころか、むしろGDP(国内総生産)の成長率は対前年比で大きくマイナスとなってしまった。これはほとんど参考にはならない。その際の改元は、天皇崩御に伴うものだったため、世の中には自粛ムードが広がり、個人消費が大きく落ち込んだからだ。
それに対して今回の改元は、生前退位を受けてのもので、前回とは一転して祝賀ムード一色となることは間違いない。
であるならば、ミレニアム(2000年)の時を参考にするのが適切だろう。実を言うと、バブル崩壊の平成デフレ不況の真っただ中にあったにもかかわらず、この年GDPは2・5%の成長を見た。その前後と比較しても、突出して高い成長率を示したのだ。
そしてそれを引っ張ったのが、個人消費の大幅な伸びだった。つまり間違いなく“ミレニアム特需”は発生したと言っていいだろう。新たな千年紀を迎えたことを受けて、人々のマインドが前向きな形でリセットされたことで、消費が大きく喚起されたのだ。
そしてこの“ミレニアム特需”の中で特に注目したいのは、ブライダル需要の増加。事実、2000年は、結婚件数が大きく伸びたのだ。こうした前後を受けてホテルや式場などのブライダル業界は、改元に大きな期待を寄せ、様々な形で改元特別プランを用意している。
そして結婚は、それに派生する形で個人消費の拡大を促す。具体的には、新婚生活をスタートさせるにあたって家具や家電、あるいは日常生活用品の購入につながっていく。つまり結婚は、個人消費の起爆剤となる可能性が高いと見ていいだろう。
だとすれば、改元に伴うブライダル特需が期待できる企業の株は狙い目だ。いずれにしてもGDPの約6割を占める個人消費の動向には要注目と言えるだろう。