困窮した高齢者、多頭飼育崩壊
八笑(ヤエ)ちゃんは、2024年2月末、福岡県在住の困窮高齢者の多頭飼育崩壊が判明した時に現場にいた猫だった。
Cさん(chimaki55.kinako1225)たちボランティアが立ち入ると、そこはさながら地獄絵図。猫用トイレもなく、ごはんはスナック菓子。おやつはチクワやカニカマだった。当然、不妊手術もしておらず、八笑ちゃんを含むメス猫は何度も出産した痕跡があった。納屋で産まれた子猫は箱に入れて、カラスに食べさせていたという。
「子猫を入れた箱が空になると、ホッとしたと言っていました。鬼畜としか言いようがありません。」
保護している最中に、飼い主は「アレはいらん。可愛くない。コレは懐いてる。可愛い。」と選り好みした。
「一夜明けると、『それは知らない子。隣の人がごはんをやって増やしたかも』、『それは、産む時だけうちにくる』などと言い、次々に猫が現れました。みんなガリガリに痩せていました」
「捕獲器に猫が入ったら何時でも良いから必ず連絡して」と言っておいても、連絡をしてくることはなく、ボランティアが電話すると、「あー。昨日からずっと入ってるよー」という返事が。
2匹の猫が納屋の冷え切ったコンクリートの床の上で身動きも取れず、水もごはんもなく、丸1日放置されていました。
やっとこれからという時に
他にもたくさんの猫がレスキューされたため、八笑ちゃんは、福岡県動物愛護センターに登録する団体「福ねこハウス」のFさん(fukunekohouse.fukuoka)に預けられた。
Fさんは、今日は8日だから、末広がりの「八」に、これからはいっぱい「笑」って過ごそう!という思いを込めて八笑(やえ)ちゃんという名前にした。
八笑ちゃんは猫白血病と猫エイズのWキャリアだと分かった。これから体調を整えて頑張ろうとしていた矢先、妊娠していることも発覚したという。
「猫風邪をひいていて、ごはんも上手に食べられず痩せていました。まずは、手術ができる体力をつけなければ。栄養を取ればお腹の子も育つ。産めるかもしれないと思いました」
しかし、そもそもちゃんと産めるのかも分からず、手術を乗り越えられるかどうかも分からない。キャリアのママから生まれてくる子猫はキャリア感染である可能性が高く、特に白血病感染は生まれても短命と言われていて、子猫たちにも生まれてくるリスクがあった。避妊手術をした時、お腹に3匹の子猫がいたが堕胎したという。苦渋の決断だった。
八笑ちゃんは、「八笑ちゃん!」と名前を呼ぶと小走りですり寄ってくるようになった。撫でてもらうのが大好きな八笑ちゃん。ごはんも、ちゃんと猫のごはんを完食する。
「同部屋の仲間たちとは最初から摩擦も威嚇もなく、自然に溶け込んでいます。この部屋の子たちは、泣けるほどみんな良い子。家族として誰かの宝物になって幸せに暮らしてほしい!と思うのは贅沢な願いでしょうか…」
八笑ちゃんもずっとのお家を探している。
◾️「福ねこハウス」の連絡先はこちら→
https://fukunekohouse.jimdofree.com/里親募集中のねこ/