「クレカも1万円札もダメ」駐車場でのピンチを救ったのは… 現金オンリーも多い!?メーカーに聞いた「精算機」事情

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様々なシーンでキャッシュレスが進む昨今、現金を持ち歩かなくなったなかでのトラブルが…。ある日初めて利用する駐車場から出庫する時、小銭が足りないのに気付いた峯鳥子さん(@minetoriko)。一万円札で支払おうとするも、支払いの機械は「千円札専用」。しかも「現金のみ」でクレジットカードも使えない大ピンチ! さあどうする?

そんな状況をエッセイ漫画として「X(旧Twitter)」に公開した峯鳥子さん。その後に、後続車も来てしまい、大慌てで「もう呼び出しボタンを押すしかない!?」となっていた時、同乗していた長女が「財布は持っていないけど、千円札あるよ」の声。いざという時のためにスマホケースに千円札を入れていたしっかりものの長女のおかげで、無事出庫できました。

「車内に千円大事です!」
「娘ちゃんえらい!」
「新500円玉の罠もあるよ」
「通りすがりのおじさんに両替をお願いした事ありますw」
「お金がなく後続車も来てしまったので、呼び出しボタンを押したら、最終的に係員の人がゲートを開けてくれました」

投稿には、様々な経験と意見が集まりました。

鳥子さんにこの時のお話をお伺いするとともに、駐車場の機器メーカーに精算機についての現状を教えてもらいました。

いざという時の現金の必要性

ーーこの時の状況は、トータルで何分ぐらいの出来事だったのでしょう?

「精算所で足止めされた時間は2分間ぐらいだったと思います。その間、カバンの中や足元にお金が偶然落ちていないか、藁にもすがる思いで探していました」

ーー普段、コインパーキングは何を基準に選ばれますか?

「あまり日常的にコインパーキングは利用しないので、クレジットカード使用可能かどうかまではチェックしていませんでした。この時は料金を見比べながら目的地から遠すぎないコインパーキングを選びました。

ちなみに普段の買い物はクレジットカード派なので、あまり財布の現金を細かく把握していなくて。駐車場の精算機がクレジットカードが使えないものもまだまだ多いのは、不便だと思いました」

ーーこの出来事の後、何か対策されていますか?

「緊急用の千円札を1枚車の中に隠しておくようになりました。ただリプライで「車上荒らしに気をつけて」とのご意見もあり、隠し場所には注意を払っています」

ーー投稿に多くの反響がありましたね。

「駐車場での“あるある”なんだなと感じました。案外困った時に親切にしてくれる人も多くいらっしゃるようで温かいなぁと感じたり。今回私は偶然娘が千円札を持っていたから出庫できましたが、もしお金がなくて後続車も来てしまったら、一体どうするのが正解なのでしょう?」

そんな峯鳥子さんの声を受けて、「駐車場のお悩みぜんぶに応えます」という駐車場システムと精算機の大手「アマノ株式会社」のパーキング事業本部の担当者に、気になることを聞きました。

駐車場精算機はまだまだ現金のみ

「アマノ株式会社」は駐車場の清算機器メーカーとしてだけでなく、勤怠管理から環境機器、ロボット掃除機まで、幅広い製品・サービスを提供。パーキング事業本部では、様々なタイプの駐車場システムの提供や、グループ会社を通して駐車場の管理・運営まで行っています。

ーーまず今回のように「え?出庫できない」という場合、基本的な対応はどうなりますか?

「対応方法は駐車場のオーナー様や管理会社様によって異なりますが、弊社の精算機では、インターホンで連絡が取れるようにするほか、コールセンターなどの遠隔地からでも機械を操作できるような機器があります」

ーーなるほど、いずれにせよ立ち往生は避けられる訳ですね。ちなみに業界的に「現金のみ」の精算機はまだ多いのでしょうか?

「2023年10月に弊社で新規で出荷した精算機のうち、現金のみの機械は約75%でした。もちろん業界全体の割合とは言えませんが、つまりまだまだ現金のみの機械の方が多いと思われます」

ーーまだまだ「駐車場=現金」なんですね! クレジットカードやスマホ決済の場合、オーナー側に手数料が発生しますもんね。新500円玉の機器の入れ替えや、近い将来の新札についてのご対応は?

「新500円玉や新紙幣対応どちらの場合も、基本的には硬貨や紙幣の読み取り部の交換で対応が可能です。(古い精算機ではできない機器もあり)現状新500円硬貨対応の状況は、かなりのご注文を頂いておりますが、新紙幣対応を見据えて、そのタイミングで変更したいというオーナー様も少なくありません」

駐車場にキャッシュレス時代は来る?

ーー今後駐車場のキャッシュレス化は進むのでしょうか? 現時点での精算機の最新機器とはどのような機能が?

「キャッシュレス化は一層需要が高まっていくことを想定しています。最新では、ゲートや駐車券がなく、カメラでお車のナンバープレートを撮影する「車番チケットレスシステム」タイプの駐車場が増えております。このシステムの場合は、精算機のタッチパネルにて、ご自分の車両ナンバーを入力して精算を行っていただきます。そのほか、スマホからWEB経由で駐車料金のお支払いができる「スマホ精算」というサービスもあります」

ーー「駐車券どこいった!」もあるあるですもんね。駐車場もチケットレス&キャッシュレスの時代はそう遠くないかもですね。

「利用者も駐車券紛失以外に、出入り口渋滞や窓開けや車寄せ不要のメリットがありますし、オーナー様は駐車場管理が遠隔地からリモートで行えます」

ーーほかに、最新の精算機だとどんな機能がありますか?

「弊社の最新のサービスとして、ETCシステムを使ってお支払いができる「ETCGO」という決済サービスもスタートしています。制度改正により、高速道路以外でもETCが利用可能となったんです。導入された駐車場では、対応するETCカードがあれば、事前登録も不要で駐車券や現金を使うことなく駐車場が利用できます」

ETCと駐車場がまさか一体化される時代が来るとは! 現在、車載の「ETC普及率」はすでに94.4%(※令和5年9月現在「ETC利用率」国土交通省調べ)、将来的にこのシステムが普及すれば、峯鳥子さん(@minetoriko)のような冷や汗ものの事件はおろか、駐車券やクレジットカード、スマホ不要で、高速道路みたいにスイ~ッと出庫できるようになるかもしれません。

とはいえ、大型施設は進化しつつも、小規模や個人運営の駐車場はまだまだ現金のみの可能性が高いのも事実。2024年7月3日に1万円、5000円、1000円が新紙幣に変わりますが、それに対応する精算機が広まるのには時間がかかるでしょう。車を停めた時点で、支払い方法だけでなく、財布の500円玉が新か旧か確認しておくほうが、焦らずにすみそうですね。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・さとうまりこ)

■アマノ株式会社 https://www.amano.co.jp/Parking/
■ETCGO https://www.amano.co.jp/etcgo/

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