学校から娘の早退確認の電話→身に覚えがない! そんなときどうする?「親としてすごく考えさせられる」

太田 浩子 太田 浩子

 ある日、15歳女子の母のもとに学校から電話がありました。内容は「生徒手帳に午後から用事があるので早退させてくださいと書いてありますが間違いないですか?」という確認です。早退の覚えがない母は、驚き、そんな嘘をついて早退しようとする娘に落胆します。ですが、一呼吸おいて早退することになっていたと先生に伝えました。

 娘に連絡すると「今日、大事なイベントがあるの」と言い、今回は話を合わせたけれど2度としないでと伝えたところ「ごめんね、ありがとう」と返事がありました。

 仕事に出た母の頭には、早退してどこに行っているのか、誰と一緒にいるのかなど、ぐるぐる考えが巡ります。もう一度しっかりと話をしようと思いながら帰宅すると、「おかえり!」「クッキー焼いてあるよ、お誕生日おめでとう」と迎えられました。

 娘は、母の誕生日用の手作りクッキーを用意するために早退していたのです。たくさんのモヤモヤが安堵にかわり、ちょっと嬉しかった…そんなエピソードがXに投稿されました。

 すると「お誕生日おめでとうございます」「嬉しいですね」と一緒にホッとしたという声とともに、「それで喜んでちゃダメだと思う」「あまり褒められる事ではないけど、今の彼女にとって最善の策だったのですよね」「ウソはいけないけど、子どもを信じる姿勢を見習いたいです✨」「親としてすごく考えさせられる」「私も子供いるけどこれやられたら微妙」などのさまざまな意見も集まりました。

 ポストした「迷走主婦(@meisoushufu)」さんは、「娘と私の行動が正しいとは全く思ってません。でも、私は頭ごなしに怒らない、まず娘の気持ちをくんで、そのあと話し合う。次女にはそういうスタンスにしてます」とコメントしています。

 また、誕生日のお祝いをしてもらったあとに、お祝いをしてくれようとした気持ちは嬉しいけれど学校を優先してほしいことや、なりすましてサインをすることがよくないこと、これからは勝手に判断しないでできるだけ相談してほしいことを伝えました。すると娘さんは素直に聞き入れたそう。

 迷走主婦さんに詳しいお話を聞きました。

──私にも娘がいるので、同じような電話が学校からあったらどうしたかと考えました。何か理由があって早退したのだろうと思えたからこそ、話を合わせられたのではないかと思うのですが。

 年頃で昔のように親のいう事をなんでもハイハイと聞かなくなりました。いわゆる思春期の反抗ですかね。ですから日ごろからぶつかることが多くなっていました。家の雰囲気が悪くなると、子供も家に帰りたくないと思うようで、友達と寄り道して帰ってきたりすることも増えていましたが、自分も若い時、口うるさい親の事がうっとうしいと感じていた事を思い出したので、ここぞという時以外はしばらく静観しようと思っていました。

 あまり話をしなくなったので、たとえば、学校でなにがあったのか、誰といつも遊んでいるのか、根掘り葉掘り聞きたいのですが益々ウザがられるので心配はしていましたが聞けませんでした。そういう状況下にあったので、早退も私に言うのが単純にイヤだった。もしくは、言えない何か良くないことがあるのかもしれないと思いました。

 ここで、ウソに加担したのはもちろん娘の性格を知った上です。本当は加担せず、私は許可していませんと言っても良かったのだけど、いったん飲み込んで感情的にならずに冷静にあとから聞こうと思ったんです。

 先にも話しましたが感情的にぶつかり合う事が多かったので、その経験からいきなり怒ると本当のことを言い出しにくい雰囲気を作ってしまうようで、逆に冷静に聞くとたとえどんなくだらない理由でも本当のことを素直に話してくれるという経験があったからです。

──誰にでも当てはまる正解というものはないから、余計にいろいろな意見が寄せらたように感じます。

 本当にたくさんの人の目に留まり驚いております。予想外でした。この話には「いい話」「良くない」「モヤモヤする」3パターンの意見をもらいました。どの意見も分かります。そして「甘すぎる」とお叱りもうけました。

 実際、娘の行動を手放しで喜んだわけではなく、私もその3つの感情が入り混じって複雑でした。だからといって、娘が大事なイベントとして行動したその優しい気持ちに対して、頭ごなしに怒り否定はできません。一旦飲み込み、受け身の姿勢を取って、のちにゆっくり冷静に話し合いをする、コレが娘の性格を知ったうえで最良だと思っています。これはあくまでも私と娘との間での対応で、全ての人がこうするべきだとは思ってはいません。

 私は常に、何でも相談しやすい話しやすい関係を築きたいと思っています。世の中の考え方が少しずつ変わってきているのに、自分の固定観念でこうであるべき、と決めつけるのも良くないと感じています。これらは全て子供から学びました。大人はブレてはいけないというけれど、私自身はフレキシブルな親でいたいと思っています。そして最終的には子供の味方でいたいと思いながら子育てしています。まだまだ未熟な親なので、子供と一緒に成長していきたいと思っています。

 ◇ ◇

 ちなみに、娘さんがクッキーを作るために早退した理由は、迷走主婦さんが仕事で家にいない間にクッキーを作ってびっくりさせたかったからなんだそう。でも、嘘をつくとお母さんが手放しで喜べなくなってしまうことがわかったので、来年は別のお祝いを考えてくれそうですね。

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