チマキちゃん(1歳3カ月・メス)は、2022年5月、母猫や兄弟と一緒に民家の軒下に住み着いた。生後3週間くらいだった。
住人の知人だった長崎県在住のSさんは、猫たちをどうしようと相談を受けた。子猫は全部で4匹いて、Sさんは最初に捕獲された子の里親探しをお手伝いをするためひとまず預かった。
「うちには既に兄弟猫が2匹いたので、我が家での受け入れは難しいと思い、当初は里親の募集を検討しました。ただ、捕獲時の体重が400グラムしかなかったので、もう少し体調が安定する大きさになるまではお世話しなければなりませんでした。初めは威嚇していた先住の兄猫たちも気づけばチマキのお世話をするようになり、チマキもまた我が家に馴染んできて、我が家にお迎えする決心をしました」
ツンデレのお嬢さん
チマキちゃんは贈答用のメロンを入れるような箱に入って、Sさん宅にやってきた。怖かったのか、近づこうとすると小さな声でシャーシャー言っていたという。
「撫でるとおとなしくなり、2時間後にはかわいい声で鳴いていました。翌日にはすっかり慣れ、私と一緒に遊べるまでになりました」
チマキちゃんを迎えた時、知人から5月の旬『ちまき』をたまたまもらったSさん。それがとても美味しかったので、チマキちゃんと名付けたそうだ。
「表記はカタカナというのがこだわりです」
初めて見る物や聞きなれない音などにとても敏感なチマキちゃん。ちょっとビビりだが、二人掛けのソファでお腹を真上に向けて寝るような大胆なところもある。
「時に甘えてすり寄ってくることもありますが、抱っこをしようとするとそれは違うようで、見事に振り回されています。ツンデレという言葉の意味を日々教えてもらっています」
Sさんは言う。
「猫と暮らし始めて、猫がかわいいと思わない日はありません。毎日新鮮な気持ちでかわいいと思っています。こんな存在があるとは猫を飼うまで知りませんでした。猫と過ごす時間はとても幸せです」