生後2カ月のクラゲの赤ちゃん。「ちょうどシメジくらいの大きさになりました」…というツイートが話題になっています。ラブリーな外見と、かたちも大きさも似たような取り合わせに、「何と可愛い命」「うっかり食べてしまいそう」と、両者を並べて紹介するセンスに賞賛の声が集まっています。
京都水族館が5月22日に写真とともに投稿し、28日までに1.1万件の「いいね」がつきました。
ちなみにこのクラゲは「タコクラゲ」という種類です。この春、同館では大規模リニューアルを予定していました。が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、現在も休館が続きます。新展示エリア「クラゲワンダー」でタコクラゲもお披露目を目指していましたが、公開延期となりました。
営業再開時期は未定とのことですが、「オープンに向けてクラゲの繁殖など準備を進めている(同館広報)」といい、今回のクラゲも大切にはぐくまれています。謎に満ちている生態などを、同館広報担当の前田璃奈さんに聞きました。
――クラゲの生態は謎めいているとか。
はい。クラゲは心臓や脳みそもなく、まだ分からないことも多いです。説明が難しいのですが、卵から生まれるというわけではありません。受精卵が細胞分裂を繰り返すと「プラヌラ」という幼生の状態になり、そこからさらに「ポリプ」→「ストラロビラ」→「エフィラ」という、それぞれ名前のついたかたちの変化を経て、後に成長したクラゲの状態になります。
タコクラゲはかたちを変えながら大人になっていく、という表現がわかりやすいかもしれません。最後は水に溶けるように消えてしまいます。
――人魚姫のようですね…。タコクラゲの成体はどのような姿なのでしょうか。
口腕と呼ばれる脚のようにみえる部分が8本なので、タコクラゲという名前が付いたと言われています。水玉模様と鮮やかな黄色みを帯びた色が特徴です。
――横にシメジを置いたセンスが抜群です。
SNSで成長過程をお伝えする際、写真では大きさが分かりづらいため、どのように伝えたらよいかを飼育スタッフと広報で相談し、一般の方にも身近なもので、大きさも分かりやすいキノコにたどり着きました。
クラゲの中でも当館ではタコクラゲが一番キノコに似ていたため、対比してSNSに投稿させていただきました。今回の投稿には多数のコメントをいただきうれしく思うとともに、これをきっかけにクラゲの成長過程や生態にも興味を持っていただければと思います。
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営業が再開された際には、タコクラゲの赤ちゃんも展示予定といいます。驚異に満ちたセンスオブワンダーなクラゲワールドを早く体感したいですね。
◆「京都水族館」は5月28日現在、臨時休館中。再オープン情報は公式HP(https://www.kyoto-aquarium.com/)等で知らせる予定。