「もううちの子でいいよ」夫も納得…道の駅に捨てられていた子猫、預かりボランティアさんのもとで幸せに

渡辺 陽 渡辺 陽

 

ビスコくんは、まだ乳飲み子の時に道の駅に捨てられていた。月齢のわりにやせていて、まるでねずみのようだった。可愛い子ほど譲渡しやすいと知っている尚子さんは、ビスコくんを大事に大事に育て、いろんな人に見せた。しかし、ビスコくんは、なかなか里親さんが決まらなかった。

道の駅に捨てられていた子猫

2015年7月、群馬県水上町の道の駅に2匹の兄弟猫が捨てられていた。子猫の近くには、ミルクに浸した黒糖パンが置いてあった。そこに捨てられる子猫は多いという。

群馬県に住む尚子さんは、道の駅で働いている人のご主人の知り合いで、その人のSNSを見ていたら、「小さい子猫を拾ったがどうしよう」という投稿があった。本当に小さくて、2時間おきにミルクをあげないと育てられない大きさだった。尚子さんは、自宅で仕事をしているのでミルクをあげることができると思い、その日のうちに「とりあえずお預かりしましょうか」と声をかけた。子猫たちは、歯の生え方や耳の立ち方を見ると生後1カ月半くらいだと思われたが、200gもないような、ねずみのような子だった。 

里親さんがなかなか決まらず

尚子さんは、何匹も猫を譲渡したことがあるので、「可愛い」ことはすごく大事だと思っていた。

「野良猫だと思っていても、実際に抱っこしてみると可愛いものなんです」

子猫は一週間も経つと、ちゃんと食べたり飲んだりできるようになった。尚子さんは、可愛く育った猫を連れて、知り合いの猫好きな人や猫を飼っている人に見せて回った。試しに店舗や新幹線の駅のそばの観光課で働いている人にも見せた。その時席を外していた観光課の人が、その日のうちに1匹欲しいと言ってきた。譲渡したが、あまりにも小さくて心配だったので、いまも写真を見せてもらったり、会いに行ったりしているという。 

残る1匹は、なかなか里親さんが決まらなかった。尚子さんが飼っていたはちみつちゃんという猫と遊ばせると、まるで兄弟のように仲良くなった。

「9月になるかならないかという頃、主人が『もう、うちの子でいいよ』と言ったので、うちの子にしました」

おやつがある時だけご主人のもとへ

名前は、ビスコくんにした。

ビスコくんは、小さい頃飢えていたせいか、少し元気になるとものすごい食欲を示した。とても急いで食べて、食べながらはちみつくんのごはんをチラ見した。はちみつちゃんが優しいので、ビスコくんは、はちみつちゃんのごはんも食べてしまった。ところが、去勢手術をすると食欲は収まったという。お腹の中にいた虫を駆虫してもらったのに、お腹の中で虫が死に、その死骸が発酵してガスが溜まったことがあるので、その影響かもしれなかった。

ビスコくんは、猫のことは大好きだが、人のことは警戒している。尚子さんしか抱っこできない。ただ、ご主人がまぐろなどのおやつを買ってくると、そばに寄って行くという。

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