2020年3月21日にリニューアルオープンする「京都市京セラ美術館」の建物内部が、11月15日に公開された。歴史ある建物に現代アートに対応する新館、屋上庭園、広場、カフェなど新たな施設が加わり、京都・岡崎エリアの新名所として注目を集めそうだ。
もとの「京都市美術館」の建物は、洋館に日本風の屋根が載る「帝冠様式」で、ステンドグラスや大理石を贅沢に使ったディテールの重厚な建物だった。その格調高いもとの玄関の下にガラスのファサード「ガラス・リボン」を設けるなど、歴史的な意匠と現代のデザインを調和させたところが、リニューアルの建築的な見ごたえだ。
もともとこの場所は、東山を望む絶好の立地で、平安時代には白河天皇ゆかりの六勝寺があった場所。ロビーや屋上庭園から、その眺望をぞんぶんに楽しめるようになっている。広間や中庭など、これまで来館者の目に触れてこなかった部分もオープンにされ、建物の持っていた魅力が、最大限に引き出された。新館「東山キューブ」は、これまで京都になかった、現代アートに対応する、あらたな展示施設となる。カフェやショップも登場し、文化に触れてくつろげる刺激的な京都の新名所となるはずだ。