そっくり猫2匹、交代で参拝者をお出迎え なでるとご利益との噂も

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

 岡山県真庭市にある木山神社(岡本淑子宮司)は、816年創建の古式ゆかしい神社。御祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)。悪疫退散、縁結び、勝負事などのご利益があるとされる。本殿横にある社務所の受付カウンターには、よく似た2匹のサバシロトビ模様の猫、クック(6歳、メス)とテン(1歳、オス)が、日々交代で”勤務”し、参拝者を出迎えている。飼い主で祢宜(ねぎ)の鈴木宏志さん(45)が、2匹との由縁などを語ってくれた。

 鈴木さん:近年は地域の若い世代の間でも「神社の名前は聞くけど行ったことはない」、「お寺との違いがわからない」など、神社への関心が薄れ、参拝者数も減っています。どうすればもっと神社に親しんでもらえるか、日々頭を悩ませていたころ、知り合いから「子猫が生まれたので飼いませんか?」との話があったんです。

 私は動物が好きで、自宅では柴犬を飼っています。早速見にいってみると、6匹の子猫がおり、一番体の弱そうな子をくださいと頼みました。というのも活発な子はすぐに貰い手が見つかるだろうと思ったからです。一匹だけ、他の5匹にはねのけられて母猫のお乳をなかなか吸えず、体の小さい子がいたので、その子に決めました。

 先住の柴犬の名が「ハチ」(9歳、オス)。その次は9ということで「クック」と名付けました。第一印象は、体の柄が日光東照宮の眠り猫になんとなく似ているなあと。それで、神社の招き猫にしてみては、とひらめいたんです。生後2カ月すぎで引き取り、社務所デビュー。その頃から受付カウンターに座って参拝者と接しているので人には慣れています。

 クックはプライドが高く、ツンデレですね。おやつをくれるなど可愛がってくれる人がやってくると、覚えていてすぐ出て行きます。なぜか特定の郵便局員さんだけになついていたり…(笑)。さわっても嫌がらないけど、だっこはだめ。好き嫌いがはっきりしています。体重は2.5キロと細身。食べても太りません。そんなクックですが、2年前の年末、生死をさまようような出来事が起こったんです。

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