ワンコの鳴き声が響く保健所 牧草をもぐもぐ食べる「保護うさぎ」 あなたは一体どこから来たの?

松田 義人 松田 義人

前橋市保健所の重い扉を開け中に入ると、「ここから出してくれ」と複数のワンコが鳴き叫ぶ声が耳をつんざきます。

そんな状況の中でも動じることなく、マイペースに過ごす真っ白なうさぎがいました。後につけられた名前は「雪丸」。ミニうさぎではなく、立派な日本白色種のうさぎです。保健所にうさぎが収容されることが全くないわけではありませんが、うさぎは環境の変化などに敏感で、エサを口にしなくなる繊細さを持っているもの。しかし、雪丸はこの通りのマイペースぶりで、ギャンギャン響くワンコの鳴き声の中でもボリボリと牧草を食べ続けていました。

段ボール入れられ遺棄されたうさぎだった

職員によれば、段ボールの中に入れられ遺棄されていたそうです。首には腫瘍のようなものがあり、おそらくは雪丸が病気を抱えたことで遺棄されたようでした。

雪丸を知ったのが、保護団体・Delacroix Dog Ranch。原則的には犬猫の保護活動を行う団体ですが、懇意の知人が雪丸の保護を買って出てくれたため、ここで保護することにしました。

雪丸の腫瘍は悪性ではなかった

保護された後、すぐにエキゾチックアニマル専門医で医療検査を受けることに。首の腫瘍を手術で摘出しました。そして、後の病理検査でわかった腫瘍の原因はリンパ節炎。化膿性の炎症で、悪性ではありませんでした。

胸をなで下ろす団体メンバーでしたが、この間も雪丸は終始牧草をボリボリ食べ続け知らん顔。この良い意味での図太さがなんともかわいい雪丸でした。

人に撫でられことも体を動かすことも大好き

雪丸は体をなでられることが大好きで、頭をさすられていると、ウトウトと眠ってしまうことも。体を動かすことも得意で、部屋の中をピョンピョンというよりはドコドコドコと走り回ります。そして、ひとしきり体を動かした後は、また牧草をボリボリ。

そんなマイペースな日々を送る雪丸ですが、ほどなしくて里親募集がスタートしました。「ずっとのお家」との縁を待ち続けています。雪丸の第二の「兎生」が、幸せなものになると良いですね。 

Delacroix Dog Ranch
https://ddranch.jp/

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