「チャップリンみたいで…見る?」と言われた子猫、衝撃の可愛さに心打たれ家族に→先住猫も安心して仲良くお留守番

渡辺 陽 渡辺 陽

工業団地に遺棄された子猫

ひげちゃん(2歳・オス)は埼玉県のとある工業団地にある会社で保護された。当時、生後3週間くらいだったという。その会社の周辺では、少し前から猫の遺棄や、それに伴い子猫が増えてしまうということが相次いでいた。ひげちゃんはパレットに挟まっていたのだが、早朝に出勤してきた社員が保護したという。保護主が防犯カメラを確認したところ、ほかの猫に追いかけ回され、パレットに追いやられていたことが分かった。

遺棄された猫たちは、会社周辺で繁殖し、その会社の保護主がTNRして、子猫は譲渡をしていた。ひげちゃんを保護した時、新しい猫はいなかったので、おそらく遺棄されたと考えられている。

噛み癖のある先住猫との相性は・・・

2023年6月3日、埼玉県在住のWさんは佐川急便のドライバーで、ひげちゃんが保護された日、その会社に荷物を届けに行っていた。

「小さな段ボールが受付に置いてあり、保護主は困り果てた様子で、『子猫を保護したんだけどね、ちょっと変なのよね…チャップリンみたいで…見る?』と言われました。何が変なの?と疑問に思いましたが、ひと目見た瞬間、衝撃的な可愛さに心打たれ、絶対にこの子の飼い主になると決意しました」

6月7日、Wさんはひげちゃんを引き取った。当時、Wさんはひげちゃんより年上のみけぽんという猫を飼っていた。まだ幼く噛み癖などの問題行動に頭を抱えていたという。
「その子は他の猫と触れ合うことが好きだったので、主人と『この子のためにもう1匹兄弟がほしいね』と話していたところでした」

保護主が動物病院で一通り検査をしていたので、みけぽんと部屋を分けることはなかった。最初は、ひげちゃんをケージに入れた状態からトライアルをスタートしたという。
「お互いに警戒する様子もなく、ひげちゃんは堂々とごはんを食べ、先住猫のみけぽんはとにかく興味津々でした。ケージ越しにも相性がいいのが分かりました。翌日にはケージから出して様子を見ていましたが、最初は戸惑いがありつつもすぐに仲良く戯れあっていました」

ひげちゃんとみけぽんは体格差があったので、Wさんはみけぽんに手加減するか心配したが、遊びながら甘噛みなどの加減を覚えていく姿に感動したそうだ。

家族の笑顔が増えた

2匹目のひげちゃんを迎えたことで、みけぽんの噛み癖や鳴き癖が治り、Wさんは衝撃を受けた。
「『猫は多頭飼いがおすすめ』と言われていますが、同じ種の家族がいることで猫社会を学び、成長することができるのだと感じました。成猫となった現在でも、良きパートナーです」

みけぽんは、苦手だったお留守番もできるようになった。ひげちゃんがきたことで一緒に遊んだり、一緒に寝たりして仲良く過ごす姿に、Wさんも安心しているという。
「二匹で階段を上り下りしたり、激しく追いかけっこをしたりする姿は今や日常です。ひげちゃんの性格が甘えん坊で優しくおおらかなので笑わされることも多く、家族の笑顔も増えました」

2歳になったいまでも子猫気分が抜けないひげちゃん。おもちゃで遊んでいたと思ったら、おもちゃをくわえたまま寝ていたこともある。ひげちゃんは家族にとってなくてはならない存在になった。

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