親猫とはぐれた子猫を美術館が保護 竹久夢二が描いた黒猫にそっくりで驚き ファンから愛されて企画展の主役に

山陽新聞社 山陽新聞社

 インスタグラムで1万5千人のフォロワーがいる夢二郷土美術館(岡山市中区浜)の人気猫「黒の助」(雄、推定6歳)の特別企画展が同美術館で開かれている。美術館のお庭番頭として活躍する黒の助の軌跡を振り返る写真展をはじめ、ニャンともかわいらしい限定スイーツやグッズも登場している。3月31日まで。

 黒の助は2016年8月、美術館近くの路上にいたところを職員が保護。しばらく親猫を探しながら中庭で遊ばせていたところ、同館が作品所蔵する画家竹久夢二(瀬戸内市出身)の描いた黒猫にそっくりと評判になった。同年12月にお庭番となり、21年にはお庭番頭に出世。展示室の一角にあるガラス張りの執務室で来館者を迎えるほか、美術館により親しみを持ってもらうため、インスタグラムで自身の写真や動画を発信している。ファンレターやプレゼントが届くこともあるという。

 企画展は就任7年目を記念して、ファンへ感謝の気持ちを伝えようと開催。お庭番の就任式の様子や中庭をパトロールする姿などを収めた28点を展示している。泡風呂でくつろぐサービスショットも飾っている。

 1月下旬には絵本やアニメとして知られる「猫のダヤン」の作者池田あきこさんが黒の助の取材で同館を訪れた。その際に描いたスケッチ原画も展示。ダヤン風に大きなつり目で描かれており、魅力的に表現されている。

 期間中、敷地内にあるカフェでは「黒の助ミニアフタヌーンティー」(1650円)を用意。猫の足形などがデザインされたプレートには、くるみ入り最中(もなか)、バニラアイスクリーム、ガトーショコラの3種類がのっている。紅茶は黒の助に似た愛らしい黒猫のポットから注いで、味わうことができる。

 そのほか、グッズコーナーでは黒の助のアクリルスタンド(1210円、限定50個)も扱っており、いつでもどこでも黒の助と一緒に写真撮影が楽しめる。小嶋ひろみ館長代理は「『黒ちゃんをきっかけに夢二に興味を持った』という声もたくさんある。これからも美術館の楽しさを伝えるため、元気に活躍してくれれば」と話していた。

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