謎の赤いぐるぐる 富山の赤巻きかまぼこ 膨らむ妄想→面白バッグ製作→モデルが着用→SNS「巻かれたい!」

コノコト コノコト

富山県民にとってかまぼこといえば、赤い皮(魚肉を着色したもの)や昆布ですり身を巻いた「巻きかまぼこ」が定番です。このデザインに無限の可能性を感じ、富山かまぼこプロジェクトを立ち上げた女性がいます。富山市のイラストレーターでキャラ弁講師をしている山本ちろさん。SNSの力も得て、妄想が一つずつ現実となっていく様子を取材しました。

はじまりは、山本さんがSNSに上げたお弁当の写真でした。

弁当を彩る赤巻きかまぼこ。富山県民にとっては「かまぼこを切っただけ」のお手軽おかずにすぎませんが、富山県外の人には謎の食材のようで「その色の物は何ですか?」とよく聞かれたそうです。その度に山本さんは「この渦のデザイン、すばらしい」との思いを深めていました。

ある時、友人のnaoさんと巻きかまぼこについて話していると「アイスボックスクッキー(クッキーの生地を細長くして、冷やしてから包丁で輪切りにして焼くクッキー)って、生地の色を変えたらかまぼこになるよね」とひらめきます。そして実行!

画像をいろんな人に見せたところ「かまぼこにしか見えない!」と言われ、「真空パックに入れたらますますかまぼこっぽいよねー」「富山県クッキー缶とか作れそうね」と、二人の妄想が広がり始めます。

そして、いよいよプロジェクトが動き出します!山本さんが「かまぼこバッグを作りたい!!かわいくないけ?こんな感じの?」と絵を描き、友人のnaoさんとたんぽさんに提案します。

数日後、たんぽさんから画像が送られてきました!

想像以上の出来上がりに、山本さんの妄想は広がり、SNSで「面白いかばんを作りました。誰かモデルになって撮影させてくれないかなぁ」とつぶやきます。すると富山県氷見市在住のモデル、しまえりなさんから立候補の返事が来ました。そして雪が降る中、富山市のアーケード街で撮影します。

山本さんは「すれ違った男性二人組が『かまぼこ・・』ってつぶやいてくれて。富山県民なら振り返るかまぼこバッグが完成した瞬間でした」と感激を振り返ります。

デザイナーでもあるたんぽさんは、撮った写真に雑誌風に文字を入れ、仮想の「kamaboko magazine」の表紙もできました。

後日、昆布巻きかまぼ風の黒色バッグやポーチも作り、かまぼこ工場でも撮影しました。

画像をSNSにUPしたところ、県内外から「面白い!」「欲しい!」「巻かれたい!」など、たくさんの反響があり、山本さんは現在、かばんを作ってくれる地元企業を探しています。「この渦巻きのすばらしさを世界に広げたい」。山本さんの妄想は広がっています。

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