エアコンの暖房「つけっぱなし」と「こまめに切る」電気代がお得なのはどっち? 専門家が冬のエアコン節電術を解説

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冬本番となり、暖房が欠かせない時期になりました。パナソニック株式会社が2022年10月~11月中旬の期間に、同社のエアコン『エオリア』ユーザーの暖房利用状況から、冬のエアコンの「設定温度」と「室内温度」を分析したところ、設定温度で最も多かったのは「25℃」でした。また、エアコンを使用した結果としての部屋の室温を表す「室内温度」については、平均「22℃」で、環境省の提示する「20℃」よりも高めであることが分かったそうです。

まず、暖房利用が増加し始めた10月~11月中旬の期間、暖房利用者の平均「設定温度」を分析したところ、「25℃」(15.4%)が最も多くなり、次いで、「23℃」(15.3%)、「24℃」(14.6%)となり、22℃~25℃がボリュームゾーンであることが分かりました。

また、エアコンを使用した結果としての部屋の室温を表す「室内温度」についても分析したところ、同期間内の平均「室内温度」は「22℃」で、環境省の提示する「20℃」よりも高めであることも分かり、今年の暖房利用状況は「設定温度」がやや高めになっており、同時に「室内温度」も推奨の温度より高いことがうかがえたそうです。

なお、エアコンは室内機内部のセンサーで温度を測定しているため、「設定温度」と実際の「室内温度」が異なっているケースもあり、家の構造や日当たりなども影響しています。中には、エアコンのお手入れ不足で能力が発揮できていないケースもあるといいます。

   ◇  ◇

冬の暖房時に「設定温度」を1℃低くすると、約10%の消費電力が削減されるといいます。冬のエアコンの節電術について、パナソニック・エアーマイスターの福田風子さんは以下のように解説しています。

▽エアコンの電気代を節約する5つのTips

【1:エアコンのフィルター掃除で年間約1万円以上※の節約に!】

室内機のフィルターにホコリがたまると目詰まりし、空気を取り入れる量が減ってしまいます。結果、エアコンは必要な空気を確保しようとして、余計なパワーを使ってしまうもの。
パナソニックの実験によると、実際に1年間掃除をしない場合は掃除をした場合に比べて、年間で約25%も電気料金が無駄になってしまうという結果もあります。この場合、フィルター掃除をすることで年間約1万円(※パナソニック製品「CS-F402D2」を使用。電気代31円/kWhでの実験)以上も電気代を節約できます。この結果からもフィルター掃除はこまめに実施しましょう。

【2:湿度と温度をコントロールして快適性をアップ】

同じ設定温度でも、湿度が上がると体感温度が上がります。冬は湿度を上げることで乾燥を防ぐだけでなく、暖かく感じられるので、加湿を心がけましょう。
また、エアコンの設定温度を1℃変えるだけでも、節約につながるもの。環境省によると、夏の冷房時に1℃高くすると約13%、冬の暖房時に1℃低くすると約10%の消費電力が削減されるとのことなので、意識してみてください。

【3:熱が出入りしやすい窓は、断熱性を上げる工夫を】

室内の熱は、窓からの出入りが最も多いもの。断熱シートや断熱カーテンを利用しましょう。カーテンは床まで届くタイプにすると、冬、隙間から侵入する冷気を抑えることもできます。窓と部屋の間に空気の層をつくるために、カーテンを2枚使ったり、内窓を設置したりするのも良いですね。

【4:サーキュレーターで室内の温度ムラをなくす】

暖かい空気は上へ移動するので、サーキュレーターで室内の空気を循環させることが必要。冬の場合はエアコンの対角線上に設置し、上向きに風を送ると天井付近にたまった暖気が室内に循環しやすくなります。人に風が当たると体感温度が下がって寒く感じるので、送風する角度も調整しましょう。

【5:室外機の環境も定期的にチェックしよう】

フィルターほどの頻度でお手入れをする必要はありませんが、室外機も意外に汚れるもの。ホコリや落ち葉などのごみがたまると熱交換の効率が下がり、消費電力アップにつながる可能性もあるので、特に風の強い日や台風が過ぎた後にはチェックしてください。

▽「つけっぱなし」と「こまめに消す」、冬のエアコン暖房でお得なのはどっち?

エアコンは、こまめにオフにするより「つけっぱなし運転」の方がおトクになることがあるとも言われています。エアコンは、室内外の温度差が大きいときに運転をオンにすると多くのパワーが必要ですが、室内がいったん適温になれば少ない消費電力量でキープできます。

そのため、運転をオフにして室温が外気温に近付けば、再びオンにしたときに消費電力量の多い「強運転」を行うことになるため、つけっぱなしのほうが少ない消費電力量で済む場合もあります。

冬の暖房使用について、「つけっぱなし」と「こまめに消す」運転の電気代を独自のアルゴリズムを用いて比較した結果、暖房使用時において、住宅の断熱性、室内熱負荷などの環境によるものの、外気温が3℃未満のような厳しい寒さの場合は、室温が大きく下がりやすく設定温度に戻すために多くのパワーが必要となるため、「つけっぱなし」運転がお得なことが分かりました。一方で、3℃以上であれば、室内温度がそこまで下がらないため「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながるとの結果が出たといいます。

※パナソニック調べ。室内温度24℃、暖房温度設定24℃、電気代31円/kWhでのシミュレーション結果
※実際の電気代は、住宅の断熱性能やエアコンの設置環境等の使用条件によって異なります

▽加湿機の効果的な使い方3箇条

【1:エアコンの風の通り道になる場所に置く】

加湿機からの加湿された空気を、エアコンの風に乗せて部屋中に行きわたらせるイメージで、加湿機から吹き出す空気にエアコンの風が当たる場所に置きます。湿度センサーの誤認を避けるために、加湿する機器本体に直接エアコンの風があたることがないように設置しましょう。
加湿空気清浄機は、エアコンの風とぶつかってしまうとお部屋の空気の循環の妨げとなってしまうため、ぶつからないように対面や対角線の壁に、加湿機の場合はエアコンの下に置くと効果的です(※)。

(※)超音波式など水滴を飛ばす加湿方式に関しては、水滴やカルキがエアコン内部に付着する可能性があるため、エアコン付近への設置は避けて下さい

【2:超音波式やスチーム式は床に直接置かない】

低温の空気は下にたまりやすく、また温度が低いと空気中に含める水分の量が下がります。加湿機を低い位置に設置すると、湿度センサーが高い湿度を検知した場合うまく働かないことがあります。
また、水を超音波によって霧状にして噴出する超音波式や、ヒーターで水を加熱し蒸気をだすスチーム式の場合は、水の粒子が大きく、下に落ちやすいのも、床に置くのを避ける理由のひとつです。
ただし、気化式やハイブリッド式はファンを搭載して自ら気流を起こせるので、その限りではありません。製品ごとに適した置き場所は取扱説明書にも記載されているので、設置前に目を通しておきましょう。

【3:結露防止のために窓から離す】

加湿された空気が窓に当たると、冷やされて結露になってしまいます。特に、気密性の高い住宅は窓と室内の寒暖差がでやすいため注意が必要です。このほか、水の粒子の大きい超音波式の場合、家具の近くに置くと、湿気によって傷んだり歪んだり、水道水のカルキが加湿した空気と一緒に放出され、家具などを白く汚すこともあります。購入の際は、加湿機の方式も合わせて検討しましょう。

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【出典】
▽パナソニック「エオリア」調べ

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