子育て中の男性社員が「してやっている」、どう思う? 「奥様に感謝してもいいんじゃない」「昭和の旦那?」

渡辺 陽 渡辺 陽

国は、男性正社員の育休取得率を2025年度に30%にすることを目標にしていて、毎年上昇傾向にあるものの、まだまだ及ばないのが現状です。仕事だけでも大変なのに、家に帰ったら家事や育児も手伝わなければならない。これは重荷に感じる男性もいるでしょう。一方で、ワンオペ育児に悩む女性もいます。くりさん(@Crystallineazu1)の同僚の男性は子育て中なのですが、ある日「家に帰りたくない」と言い出しました。

その理由を聞いたくりさんと同僚のやり取りをツイート。「『俺の方が仕事で大変なのに家事を手伝ってやってるし子供も見てやってる。嫁は一日家に居るのに不機嫌で感謝してこない』と言うので、僕が『”してやってる”って言葉が沢山出てるけど君は奥様に感謝してる?』と聞いたら無視された」。

この「~してやっている」という意識を変えなければいけないというくりさんの意見には、
「同僚さんの気持ちも分かります。でも、育児<仕事と思っているんでしょうね。子供とずっと一緒にいる大変さを感じてもらいたいです」
「お仕事で疲れるのはわかるけど育児だって疲れるよ。奥様に感謝少しぐらいしてもいいんじゃない」
「その同僚の方は昭和の旦那さんですかね、今どきそんな考えの人がいるんですね」
「同僚さんの気持ちもわかります。ただ、どちらが大変とか偉いとか比較すると、よくない方向に進んじゃいますよね」
など、育児中の男性からもたくさんの反響がありました。

投稿者に聞いた

投稿者さんにお話を聞きました。

ーー奥様も「不機嫌で感謝してこない」ならどっちもどっちでは。

「はい。確かにそうかもしれません。『夫婦は合わせ鏡』という言葉があります。どちらが先に感謝の気持ちを忘れてしまったのかはわかりませんが『鶏が先か卵が先か』の問題と同じで、どちらともなくそうなってしまった可能性はあると思います」

ーー「してやっている」とい気持ちは態度にも出るのでしょうか。

「これは必ず態度に滲み出ますし、相手に伝わると思います。むしろこのような態度を通して相手に『伝えよう』とすらするのでないでしょうか。僕自身の経験を振り返ってもそうですが、『〜〜してやっている』の背景には、『本当は俺の仕事じゃないのに』という"当事者意識の欠如"が垣間見えますし、本来は対等な関係である夫婦間に"上から目線"の姿勢が見られます。そういった意識は言葉や言葉以外の行動(ため息や不機嫌な態度等)に必ず現われると思います。それが近くにいるパートナーに伝わらないわけがありません」

ーー積極的に自分の意識を変えないと辛いでしょうね。

「はい。『~してやっている』意識の裏側には、『本当は"しなくていい"のに"させられている"』という受け身的で自己中心的な被害者意識が隠れていると考えます。このエゴの殻を打ち破り、家事や育児を『夫婦2人で協力して取り組むもの』と考えることができれば、能動的に取り組む事ができ、結果的に気持ちも楽になれるのではないでしょうか」

ーー感謝の気持ちは、言葉にして伝えなければいけませんか。

「感謝の気持ちは言葉にしないと伝わらないと僕は考えています。『黙っていても分かるだろう』は、"分かって欲しい側の甘え"で、しっかりと『言葉にする』という行動を通してしか伝わらないと考えます」

ーーくりさんはどのように伝えていますか。

「僕は、常日頃から誰に対しても感謝の気持ちを言葉にして伝えています。『人間関係の基本は尊敬と感謝』だと思うのです。もちろん、妻に対しても言葉にして伝えてますし、妻も必ず言葉にしてくれます。僕らのやり取りを見ているのか、我が家の娘達(7才と3才の2人)も自然と『〜〜してくれて、ありがとう』と言うようになりました」

ーーこのご夫婦も言葉にしたら変わるでしょうか。

「奥様側のお話を聞いてないので何とも言いがたい部分はありますが、感謝の気持ちは基本的には『双方向で成り立つ』ものだと考えています。双方に『感謝の気持ちがない』とは、僕は考えていなくて、仕事をしながらそれなりに家事に育児をしてくれる夫に、奥様は多少なりとも感謝しているでしょう。私の同僚も、子供を見ながら家を守る奥様に多少なりとも感謝していると思います。その気持ちを思い出し、少し勇気を出して伝えれば事態は好転するかもしれません」

ーー口火を切るのが難しそうです。

「僕は感謝は必ず『自分からしていく』ということが大切だと思います。『相手が感謝してきたら感謝し返そう』ではダメで、『他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる』の原理で言えば、まずは自分から感謝の気持ちを伝えていくと良いでしょう。僕が同僚に対して『君は奥様に感謝してる?』と聞いたのはここに気づいて欲しかったからなのです」

ーー意地を張ってはだめなのですね。

「まずは同僚が変わる。そして、自分から奥様に感謝の気持ちを伝え、当事者意識を持って能動的に家事に育児に取り組めば、事態は必ず好転するでしょう。先述の通り『夫婦は合わせ鏡』なので、どちらかが変わればお互い変わっていけると信じています」

ーーそこを乗り越えなければいけないのでしょうか。

「夫婦とは人生という荒波を共に乗り越える戦友の様なものだと僕は考えています。是非お互いの中に潜んでいる『感謝の気持ち』に気づいてもらいたい。そして言葉にして伝え合い、思いやりと支え合いを通して夫婦としての存在意義を高めてもらいたいと僕は考えます」

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