「全米が泣いた」流しに散らばる研ぎ終えた米、血だまりにしか見えない床のシソジュース…イヤイヤ期改め「やるやる期」写真展にほっこり

山陽新聞社 山陽新聞社

 「ちがう、ちがう!」「やだ~」。こんなイヤイヤ期の子どもの声に、頭を痛めるお母さん、お父さんは多いのでは? 2歳7カ月の娘を育てる女性記者も修行のような日々を送っている。そんなイヤイヤ期を「やるやる期」と名付け、前向きに捉えたユニークな写真展が岡山市内で開かれていると聞き、のぞいてみた。

  「うちと一緒だ…」。思わず、心の中でつぶやいた。飾られた写真は、自分がいつか見た光景ばかり。こぼした麦茶が湖のように広がるテーブル、納豆を手につけてネバネバした感触を堪能する子ども。親にとっては大惨事だが、写真を見る側になると「あるある〜」とほほ笑ましい気持ちになる。床にしゃがみこむ子どもの前にあるのは真っ赤な血溜まり!と、思いきやシソジュースという作品もあった。

 写真は「yaruyarugram」と書かれたインスタグラム風のフレームに収められ、来場者は感想を付箋で付けることができる。「よくあるヨー!!」「やりすぎだろww」といった励ましやツッコミが盛りだくさん。流しに研ぎ終えた大量の米粒が散らばった写真に付いた「全米が泣いた」のコメントには、座布団を1枚渡したくなった。

  

 企画したのは4児の母で、「絶賛やるやる期アドバイザー」の資格を持つくぼたかおるさん(42)=岡山市。「『2歳=イヤイヤ期が大変』というイメージが強いが、自分の力でやりたいという気持ちが芽生える時期。全力で、繰り返し取り組む中で学んでいる」と話す。「イヤイヤ」を「やるやる」というポジティブな言葉に変換することで、子どもの行動にプラス思考で向き合い、面白がるきっかけになればと考えた。

 

 核家族化やコロナ禍で親子同士の交流機会が減る中、「こんなことをするのはうちの子だけ?」と思ってしまいがち。写真展を通して、「みんな同じ」という安心感を持ってほしいそうだ。子育て世代でない人たちにも、この時期の子どもの姿を知ってもらうことで、「優しい目で見守ってくれる社会になれば」とも話す。

 

 とはいっても親にとっては、楽ではないのがやるやる期。一体、どう向き合えばよいのかー。「例えばお茶をこぼしても、子どもはどうすればいいのか分からない。成長のきっかけになったと考え、一緒に拭こうねと呼び掛けてほしい。子どもがやることは全て無駄じゃない」とアドバイスする。そして、こう付け加えた。「やるやる期のお子さんの顔はぜひ正面から見てほしい。一生懸命な表情はとてもかわいい。見逃すのはもったいないですよ」

  いつもは家で「ダメダメ」を連呼する記者。その日の夜は、餃子を解体する娘を穏やかな気持ちで見守ることができた。正面から見ると、その道のベテランのような顔をしていて思わず吹いた。

  「絶賛やるやる期写真展」は、岡山市立高島公民館(同市中区国府市場)で10月9日まで開かれている。

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