愛が強すぎて…「自宅に踏切を作ってしまいました」パーツはほとんど本物、どうやって入手するの?製作者に聞いた

門倉 早希 門倉 早希

「踏切が好きすぎて、自宅に第1種踏切を作ってしまいました!」

ツイッターで、まささん(@masa300_fmkr)の投稿が話題を呼んでいます。投稿された動画には、線路沿いではなく自宅の庭と見られる場所に踏切が置かれています。カンカンと聞きなれた音、赤いランプも本物そのままで、遮断機もしっかり機能しています。

ちなみに、まささんの投稿にある「第一種踏切」とは、自動警報機と自動遮断機がある踏切を指すのだそう。ほかにも種類があり、「自動警報機のみある踏切を第3種踏切。警報機も遮断機も無い、踏切を警告する看板だけ設置されている踏切を第4種と言います」とまささん。

もちろん、音に関しては近隣への配慮もしており、「警報音は最小設定にしており、壁一枚挟むと耳を澄ませて少し聞こえるくらいです。また、長時間の鳴動を控え、時間帯にも気を遣ってます。警報機は室内で保管しており、遮断機とセットで撮影する為、一時的に屋外に設置しました」。

設置した踏切について、踏切への愛がやまないまささんにお話を伺いました。

「手作りでは満足できなくなり…」

ーーいつどんなタイミングで踏切に魅了されたのでしょうか。

「あまり正確な時期は覚えてませんが、3歳頃に父親と近所の踏切を初めて見た時にドハマりし、1時間くらいずっと見ていた記憶があります。

幼少期はとにかく親を引きずって徒歩や自転車で線路沿いを巡り、色々な踏切を見て回りました。踏切は道路の構造や鉄道会社によって警報機、遮断機の設置方法や警報音などの違いがあり、バリエーションが無数にあります。それを写真や動画で集めていました」

ーー生粋の踏切マニアというわけですね。以前も自室に踏切を作られたとか。

「踏切作りは、中学時代からプラレールやNゲージ用のミニチュア踏切から、5インチゲージ用の大きめな踏切など色々作ってきました。踏切を作りすぎて、手作りでは満足できなくなり本物の踏切が欲しいと思うようになりました。家族からは大きくて家に置けないと言われましたが、ある日、電車とバスの博物館に行ったときに、設備は本物でやや小さめの踏切を見つけこれなら家に置ける!って思いました(笑)

ですが、残念ながら踏切メーカーは一般に踏切設備を販売しては貰えず…。しかし、高校時代にネットオークションで中古の踏切部品を見つけ、アルバイトをして貯金もあったのでコレクションとして踏切部品を集め始め、いつの間にか自宅踏切が出来上がっていました(爆笑)」

ーーネットオークションで手に入るとは。

「ほかにも、地方のローカル線などのイベント等で部品販売をされることがありますが、私の場合殆どが遠くて足を運ぶことができないので、相場は高くなりますがネットオークションで入手しました。

殆どの部品がネットオークションで入手した本物の踏切部品になります。初めの頃は比較的入手がしやすい警報灯を集めました。そして警報機を作り始めたのですが、支柱がどうしても入手できず、ホームセンターで売っている塩ビパイプで代用しました。

電子工作をしながら、警報灯を点滅させる回路を自作したりしました… が!制御部分も本物にこだわりたくなった為、これもまたオークションで制御リレーなどを入手し本物同様の構造にしました。そして自宅第3種踏切が完成しました。

第3種が完成してから、しばらくして遮断機をオークションで入手し自宅第1種踏切が完成しました。支柱以外はすべて本物の部品を使用しています。塩ビパイプで代用した支柱は強度が不安なので将来的には本物を入手したいと思っています」

ーー費用はどれくらいかかるものなのでしょうか。

「費用については、第一種踏切完成動画に映っているもので大体20万弱くらいです。映像外にも踏切部品を複数コレクションしているので、トータルすると50万円は越えてると思います」

ーー作る技術があるのがすごいですね。

「小さい頃から工作が好きだったので、踏切の遮断機を作っていた記憶があります。中学時代には、父親がハードウェア関係の仕事をしていたため、電子工作に触れるようになりLEDを光らせたりモーターを制御したり、”動く踏切”を作るようになっていきました。他にも、踏切の設備の違いに注目するようになりました。踏切関連の設備を作ってるメーカーは7社以上あり、メーカーによってデザインや特徴などが異なります。

他にも、踏切の大きい・小さい、交通量の多い・少ない、踏切の場所や鉄道会社によって異なる、踏切の形や使う設備などの違いに興味を持つようになりました。高校時代には、踏切がなぜ動くのか?ということに疑問を抱くようになり、踏切を制御する仕組みなどを勉強するようになりました。そこからフェールセーフなど安全性の仕組みを知ることができ、外見だけでなく踏切の中身まで魅了されました。

成長と共に、踏切をさらに深堀しては安全対策や設備の工夫などの面白さに魅了されています」

◇ ◇

いつも何気なく見ている踏切ですが、メーカーにより見た目が違ったりと。実は奥が深いものだったようです。遮断機が上がるまで何気なく待つ間、注意深く観察してみるのも楽しそうですね。

ちなみに、ここまで踏切に深い愛を持つまささんが何者なのか伺ったところ、「小学生の頃から踏切メーカーに就職するのが夢だったので、それを目指して学生時代は電気やプログラミングの勉強をしてきました。しかし、就活では不採用となり踏切に携わる夢は叶わず、 現在はメカニック(マシン整備)をやっております」とのことでした。

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