車の下にいた子猫
らんまるちゃん(3歳・メス)は、2018年6月下旬、雨の降る夜に住宅地で鳴いていた。山口県に住む佐藤さんの長女は、その日の夜7時頃、友人を連れて帰宅した。家に入る時、猫の鳴き声がするなと思ったが、さして気に留めることもなかったという。
しかし、猫の鳴き声は鳴り止まない。2時間近く鳴き続けていたので、長女と友人は気になって猫を探すため外に出た。声を頼りに探してみると、子猫が車の下にいた。濡れていて、怯えてブルブル震えていたそうだ。
なんとか捕まえようと思ったが、近づくと子猫は車の奥に逃げてしまった。長女は家からタオルを取ってきて、車の周りを2、30分探し、やっとの思いで保護したという。
捨てられた可能性
子猫の尻尾はちぎれて血と膿で固まっていた。22時近かったので、その日はシャンプーをして、スポイトでミルクを与えて休ませた。膝の上で撫でていたら、安心したのか眠りについたという。帰宅した佐藤さんは子猫を見て驚いたが、飼うことにしたそうだ。
翌日、動物病院で見てもらうと、特に病気もなく、ノミやダニもついていなかったので、捨て猫かもしれないと言われた。何日もさまよっていたわけではないようだ。尻尾は1カ月くらいできれいに治った。
なくてはならない存在
佐藤さんは犬派で犬も飼っているが、すっかり猫派になった。
「飼っていると情がわいてきました。猫はひとつ一つの動きが可愛いでしょ。ただ座っているだけでも可愛いし、自分でグルーミングする動きも可愛いし。すっかりハマってしまいました」
らんまるちゃんは甘えん坊でやきもち焼き。佐藤さんの足にスリスリしたり、テレビを見ていると、「構って」とチョンチョンと手で触ってくる。しかし、呼んでも知らん顔したり、短い尻尾で返事だけすることもある。ツンデレのらんまるちゃんに今ではメロメロという佐藤さん。猫は「なくてはならない存在。宝物」なんだと言う。