「ネコバスみたい」廃バス利用の集会所、雨漏り対策で屋根付き 棚田広がる山あいの絶景楽しめる

山陽新聞社 山陽新聞社

 50枚ほどの棚田が広がる山あいに、アニメ映画「となりのトトロ」に出てくる「ネコバス」そっくりなマイクロバスがある。岡山県美咲町和田北の下金地(したかなぢ)地区。ネコバスは地区の集会所として大事に使われ、住民が集う憩いの場となっている。

 下金地地区で常会長を務める村上具行さん(71)によると、バスは昭和期、地区住民が勤務する会社への送迎バスとして走っていた。30年ほど前、老朽化が進み廃車になった際、それまで集会所がなく各家持ち回りで開いていたため、「値段が安く、うってつけ」と購入し、集会所として使い始めたという。

 バスの車内には会議机があり、座布団も敷いてある。春の総会をはじめ、夏と秋の草刈り時には慰労会が開かれたり、外遊びの子どもたちが一休みする場になったりしているそうだ。

 15年ほど前には雨漏りがひどくなり、廃材を利用してバス全体を覆う屋根(高さ約2・5メートル、奥行き約5メートル)を作った。「手間暇をかけて修繕しているから、愛着があるんよ」と村上さん。

 最近では、「バスと屋根が一体化して見える」「となりのトトロのネコバスみたい」などSNS(交流サイト)で話題になることも。県内外から若者らが撮影に訪れるケースが増えてきた。

 集会所からは、傾斜地に広がる美しい棚田の風景を眺めることができる。農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に選ばれている大垪和(おおはが)西地区からは西へわずか2キロほど。この地域でもまた、代々受け継がれてきた米作りが今も続く。

 下金地常会には現在、5戸(16人)が入っている。村上さんは「集会所は地域の顔。これからも力を合わせて守っていきたい」と話している。

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