「孫にスマホを貸したら高額請求が…」 100万円を超える請求も、課金トラブル防ぐ6箇条

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子どもによるオンラインゲームの課金トラブルが後を絶ちません。いつもよりゲーム時間が長くなりがちな夏休み。親子で「我が家のルール」を再確認した上で、大人は使える機能をフル活用し、トラブルを未然に防ぎましょう。

「小学生の孫にスマホを貸していたら、クレジットカード会社から非常に高額な請求が来た。無料のオンラインゲームで遊んでいると思っていたのに…」

富山県消費生活センターに70代の祖母から寄せられた相談です。ゲームの利用料は無料であっても、ゲーム内で使用するアイテムの購入(有料ガチャ)などで料金が発生した可能性が考えられます。

100万円を超える請求も…

富山県消費生活センターにはオンラインゲームの課金トラブルによる相談が年間20件ほどあり、そのうち半数が小中学生によるトラブルといいます。金額は数万円から数十万円というケースが多いそうです。

全国に目を転ずると、20歳未満が当事者となったオンラインゲームに関する消費生活相談は年々増えています。「令和4年版消費者白書」によると、相談件数は2017年の1587件から2021年には4443件と2.8倍に急増しています。

相談者の契約購入金額(課金)の割合で最も多いのは、小中高校生に当たる「10歳未満」「10~17歳」のどちらの年齢層でも「10万~50万円未満」と非常に高額です。さらに細かく見ると、「10~17歳」の年齢層では「50万円~100万円未満」と「100万円以上」を足した〝超高額〟の割合が2割近くを占める点も見過ごせません。

「登録していたクレジットカード番号を子どもが利用し、オンラインゲームに高額課金していた。取り消したい」というのが典型的な相談事例です。相談にまで至る事例は氷山の一角で、少額で親も気付かぬままに支払っているケースや、家庭内の問題にとどめている事例も多いとみられます。

親のアカウントを使わせない

こういったトラブルを未然に防ぐために、親はどんな対策をするべきでしょうか。富山県消費生活センターに聞きました。

〝6箇条〟を紹介します。

1. 家族でルールをしっかりと話し合うこと。
2. 親や祖父母のアカウントを子どもに利用させない(スマホ、タブレット、ゲーム機)。
3. 子どものアカウントを親のアカウントで管理・保護できるよう「ペアレンタルコントロール」を使う。
4. クレジットカード情報を子どもに教えない。スマホに登録したカード情報や決済パスワードを厳重に管理する。(一度入力すると、一定時間は再入力が不要という設定になっている場合もあり!)
5. すぐに異変に気付くように、カード決済完了時に親にメールが届く設定にする。
6. 祖父母にも説明し、協力を求める。

夏休みは、おじいちゃんおばあちゃんの家で過ごす時間を楽しみにしているお子さんも多いでしょう。「孫にスマホを渡せば、その間は静かにしていてくれるから…」という疲れたおじいちゃんおばあちゃんの本音も聞こえてきますが、パパママは危険性を十分に説明し、協力をお願いすることが大切です。

専門窓口に相談を

それでも、トラブルが発生してしまったら…
未成年者が保護者の承諾なくオンラインゲームに課金した場合、状況によって取り消しが可能なケースもあります。次の手順で対応しましょう。

① 子どもに確認し、実態を把握する。子どもは最初、正直に言わないこともある。粘り強く向き合う。
② 時系列で整理する。ゲームのタイトル、何月何日にどのぐらい利用したかを確認。
③ プラットフォーム事業者やゲーム事業者に問い合わせる。不安を感じる場合は最寄りの消費生活センターに連絡し、助言をもらう。状況によってはセンターが返金交渉の手伝い(あっせん)に入ることもある。

消費者庁によると、2021年度に相談を受けた事例のうち、9割近くが部分的にでも返金を受けることができています。

課金トラブルと深いつながりのある問題として、相談の中には、ネット依存やゲーム依存(疾病名・ゲーム障害)を疑わせる深刻な事例もみられ、センターでは専門の窓口を紹介しています。

返金交渉の過程で、事業者から保護者の監督責任が問われるといいます。「よその家の出来事でしょ」「ゲームやネットのことはよく分からないから」と放置せず、親子でしっかりと話し合い、楽しい夏休みにしたいですね。

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