6月の振り返り キーワードは「記録ラッシュの梅雨」「大雨と少雨」「異例の猛暑」

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2022年6月を振り返ると「記録ラッシュの梅雨」「大雨と少雨」「異例の猛暑」など、様々なことがありました。あすから7月、天気や気温はどうなるのでしょうか?

キーワード① 記録ラッシュの梅雨

6月といえば、雨の季節というイメージを持つ方も、大勢いらっしゃると思います。2022年6月の前半は、続々と梅雨入りを迎えました。

気象庁は、6日に「関東甲信地方が、梅雨入りしたとみられる」と発表。関東甲信地方の梅雨入りは平年より1日早く、九州南部地方より早かったのは17年ぶりのことでした。

その後、11日には九州南部・九州北部地方、13日には四国地方、14日には中国・近畿・東海・北陸地方、15日には東北南部・東北北部地方と、次々に梅雨入りしましたが、「平年より遅い梅雨入り」の所が多くなりました。

一方、6月下旬になると、梅雨前線が北上し、次第に雨の季節が終わりを迎えました。

20日には沖縄地方、22日には奄美地方で梅雨明けを迎え、いずれも「平年より早い梅雨明け」となりました。

さらに、27日には九州南部・東海・関東甲信地方、28日には九州北部・中国・四国・近畿・北陸地方、29日には東北南部地方で梅雨明けとなりました。

九州北部・中国・四国・近畿・関東甲信・北陸・東北南部地方では、「過去最も早い梅雨明け」でした。

また「梅雨の期間が短い」というのも特徴の一つでした。九州北部・中国・四国・近畿・東北南部地方では、統計開始以来、最も短い梅雨となりました。

※梅雨は季節現象であり、梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。なお、梅雨入り・梅雨明けの発表は速報値で、春から夏にかけての天候経過を考慮して再検討され、見直されることがあります。

キーワード② 大雨と少雨

梅雨の時期には、いつもの年よりも雨量が多くなった所もありました。梅雨の期間の降水量は、那覇市(5月4日~6月19日)では1072.5ミリと、平年値441.6ミリの約2.4倍、奄美市名瀬(5月11日~6月21日)では847.0ミリと、平年値539.5ミリの約1.6倍でした。

また、6月下旬は、梅雨前線が北上したため、東北で大雨になり、梅雨のない北海道でも、記録的な大雨になりました。27日~29日は、東北や北海道のあちらこちらで、6月1位を更新する降水量が観測されました。

一方、九州~関東甲信では、広い範囲で雨が少なく、「空梅雨」になりました。

梅雨の期間の降水量は、福岡市(6月11日~27日)では61.0ミリと、平年値172.0ミリの約4割、広島市(6月14日~27日)では39.0ミリと、平年値133.1ミリの約3割、東京都心(6月6日~26日)では59.0ミリと、平年値127.5ミリの約5割でした。

中でも、仙台市では、梅雨の期間はわずか2週間(6月15日~28日)で、降水量はたった18.0ミリと、平年値75.5ミリの約2割でした。

キーワード③ 異例の猛暑

この6月は、関東や東北の太平洋側を中心に、前半と後半で、気温がガラッと変わりました。

東京都心の最高気温は、6日と7日、14日と15日は、2日連続して20℃に届かず、「梅雨寒」となりました。6月に2日連続して最高気温が20℃未満だったのは、11年ぶりでした。

一方、梅雨明けしたとたん、猛烈な暑さが続きました。東京都心の最高気温は、25日から35℃以上の日が続きました。統計開始以来、6月に猛暑日が6日連続したのは、最長記録でした。

仙台市も、6月は前半と後半の気温差が大きくなりました。最高気温は、6日は14.5℃と、6月としては11年ぶりに、最高気温が15℃未満でしたが、25日は35.1℃と、6月としては最も暑くなりました。また、仙台市では6月前半は「夏日(最高気温25℃以上)」の日がありませんでした。6月前半に夏日がなかったのは、10年ぶりのことでした。

そして、6月下旬は、各地で、記録的な暑さになりました。

25日には、群馬県伊勢崎市で、最高気温40.2℃を観測。全国で、6月に最高気温40度台を観測したのは、史上初めてでした。伊勢崎市では、29日にも最高気温40.0℃を観測しました。

また、25日には、長野市などで6月としては1位の最高気温を観測し、29日には、名古屋市や岐阜市、富山市、福井市、鳥取市などで、6月としては1位の最高気温を観測しました。

6月最終日も一段と暑くなった所があり、東京都心や千葉市、横浜市、甲府市、名古屋市、岐阜市、京都市などで、6月としては1位の最高気温を観測しました。30日の最高気温全国1位は埼玉県鳩山町の39.9℃でしたが、最高気温が39℃台の地点は11地点と、6月としては最も多くなりました。

あすから7月 雨や気温は どうなる?

そして、7月の雨や気温がどうなるのか、気になるという方も、大勢いらっしゃると思います。

気象庁が、6月30日に発表した1か月予報によりますと、この先1か月の降水量は、北日本では「平年並み」ですが、東・西日本では「平年並みか少ない」でしょう。特に、西日本では、期間のはじめは、降水量の少ない状態が続く所があり、水不足のおそれがあります。

一方、沖縄・奄美では、この先1か月の降水量は「平年並みか多い」でしょう。台風や熱帯低気圧が発生しやすく、湿った空気の影響を受けやすくなりそうです。大雨への備えは、早めに行ってください。

また、この先1か月の平均気温は、北・東・西日本で「平年より高い」、沖縄・奄美では「平年並みか高い」予想です。7月は、厳しい暑さのエリアが広がるだけでなく、いつもの年よりも、暑さがレベルアップすることが予想されます。無理をしないで、できる限りの熱中症対策を、心がけてください。

【北日本】北海道・東北地方
【東日本】関東甲信・北陸・東海地方
【西日本】近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部
【沖縄・奄美】鹿児島県奄美地方・沖縄地方

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