フェーン現象で気温上昇 35℃を超えた所の湿度は30パーセント台 水分補給を

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きょう24日(金)は、九州から東北南部の広い範囲で30℃を超えて、北陸や四国を中心に35℃以上となっている所もあります。フェーン現象による気温上昇で、北陸や四国では最小湿度が30%台となっています。空気は比較的乾いていますので意識して水分を取るようにしましょう。

こまめな水分補給を

きょう24日(金)は、九州から東北南部の広い範囲で30℃を超えて、北陸や四国を中心に35℃以上となっている所もあります。日本の南にある夏の高気圧や日本海を進む前線を伴った低気圧のえいきょうで、日本付近には暖かく湿った空気が流れ込んでいます。南アルプスや北アルプス、四国山地を越えて、比較的乾燥した暑い空気が、北陸や四国の気温を押し上げています。いわゆるフェーン現象で、35℃以上の危険な暑さになっています。

午後2時までの、最小湿度が全国で最も低いのが長野県飯山市で32%、最高気温は36.1℃と今年初の猛暑日となっています。ほかにも富山県魚津市35%、36.3℃や新潟県上越市大潟は36%、37.0℃、香川県東かがわ市引田は36%、36.9℃など、北陸や四国で湿度が30%台で気温が35℃を超えています。東京都心は32.6℃と今年一番の暑さになっていますが、湿度は55%と蒸し暑くなっています。

湿度が比較的低いと、汗をかいても、乾くのが早く、体から水分が逃げていることが気が付きにくくなります。意識的に水分を補給し、小さい子供や高齢のかたには、積極的に水分を取るよう声をかけてあげてください。

フェーン現象とは?

「フェーン現象」とは、水蒸気を含んだ空気が山をこえる時に雨を降らせ、その後、乾燥した空気となって山を吹きおりると、気温が高くなる現象です。

①例えば、図の右から左へ風が吹く場合、風上の平地の気温が30℃だとすると、この風が高さ2000メートルの山をのぼる時、100メートル上昇する毎に0.65℃気温が下がるので、山頂付近の気温は風上の平地より低い17℃になります。
②山頂付近に向かうにつれて、風上の平地より気温がどんどん下がることにより、もともと空気中に含んでいた水蒸気のうち、ある程度の水蒸気が冷やされて、小さな水の粒になります。この水の粒は、空気中をただよう雲や霧に変わり、雨粒となって落ちてしまうので、空気中の水分が減って、乾燥した風になります。
③乾燥した風が山をおりる時には、100メートル下降する毎に1℃気温が上がるので、風下の平地の気温は、風上の平地より高い37℃になるのです。
湿度が変わると、気温の変化する割合も変わることが、フェーン現象の発生原因です。

(他にも「ドライフェーン」と呼ばれる現象などがあります。「ドライフェーン」とは上空の空気が地表まで吹き降る際に、圧縮されて気温が上がる現象です。)

熱中症を引き起こす条件

熱中症は、誰でも発症するおそれがあり、引き起こす条件は、大きく3つ挙げられます。

1つめは「環境による条件」です。その日の気温が高いだけでなく、急に暑くなった日や、熱波の襲来も危険です。また、湿度が高い、風が弱い、日差しが強いといった気象条件も、熱中症を引き起こします。締め切った室内や、エアコンがない所といった環境も、熱中症には特に注意が必要です。

2つめは「体による条件」です。高齢者や乳幼児、体に障害がある方は、周りの方が特に気をつけてあげてください。肥満や持病(糖尿病、心臓病、精神疾患など)のある方も、熱中症にかかるリスクが高まります。低栄養状態、脱水状態の方は、体にこもった熱を、効率良く体の外へ逃がせなくなるおそれがあります。二日酔いや寝不足などの体調不良でも、熱中症にかかりやすくなってしまいますので、ご注意ください。

3つめは「行動による条件」です。激しい運動をしたり、慣れない運動をしたりすると、体内で熱が発生しますが、その熱が体の中にこもったままだと、熱中症にかかりやすくなります。長い時間の屋外作業や、水分補給がしにくい状況も、熱中症を引き起こす原因になりますので、十分お気を付けください。

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