すべては私たちに出会うため? 入退院を繰り返し、なかなか里親が決まらなかった子猫

渡辺 陽 渡辺 陽

きららちゃん(2歳・メス)は、2019年5月、富山県の田んぼ道で一人行き倒れていた。たまたま通りかかったおじいさんが保護して、家に連れ帰り、一晩温めてくれたという。翌日、おじいさんが保護団体に持ち込んだところ、たまたまその場に居合わせた石川県のボランティア団体「こねこサポーター」が預かることになり、後に譲渡サイト「ネコジルシ」で里親を募集したという。

しかし、きららちゃんの体調は落ち着かず、入退院を繰り返したためなかなか里親が決まらなかったという。

先住犬にそっくりの猫

石川県に住む吉田さんは、シニアの柴犬2匹とミルキーちゃんという雄のキジ白猫を飼っていた。ミルキーちゃんはまだ5歳だったが、2019年6月、大動脈血栓狭窄症で亡くなってしまった。

「寂しくて耐えられず、また猫と暮らしたいと思い、ご縁を探していました。譲渡サイトで当時生後2カ月だったきららを見つけたのですが、なぜか飼っていた柴犬に似ていると思ったんです。飼ってみると本当によく似た性格で、まるで犬と猫の双子のようでした」

2019年7月13日、吉田さんはきららちゃんを迎えた。子猫のきららちゃんは、一気に吉田家の空気を若返らせた。きららちゃんは愛犬ともとても仲良くなったそうだ。

「保護主さんのところにいる時、入退院を繰り返したことを聞いていたので身体が弱いのかと思ったのですが、何の問題もなく、元気でした。まるで私たちに会うためにわざと体調を崩したのではないかと思うほどでした」

きららちゃんが支えてくれた

きららちゃんと暮らして吉田さんは猫のイメージが180度変わったという。

「女の子の猫はマイペースでクール、男の子は甘えん坊だとよく聞いていました。でも、きららは超甘えん坊で、イメージが違っていました」

きららちゃんを迎えた頃、吉田さんは2匹の愛犬が認知症や悪性リンパ腫になり介護や看護をしなければならなかった。特に、真夜中に世話をする時は、身体が辛いだけでなく心も折れそうになったが、まるできららちゃんが手伝ってくれているように感じて、とても心強かったそうだ。

猫のミルキーちゃんと2匹の愛犬を見送った吉田家。今はきららちゃんだけが残っているが、何よりの宝物で生きがいなのだという。

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