非公開だった130年以上歴史ある神戸の「異人館」、カフェとして新たな人気スポットに

いなだ みほ いなだ みほ

神戸・北野の異人館の中でもっとも古い建物と言われ、これまで非公開だった「旧スタデニック邸」(神戸市中央区)。今年から「北野メディウム邸」としてカフェやコワーキングスペースの営業をスタートし、SNSを通じて新たな人気スポットとして広まっています。

ロシア人であるスタデニックご夫妻が暮らしていた同館は、明治20年代に建てられ、昭和55年に神戸市によって伝統的建造物に認定。白く塗られた板壁、赤い屋根、緑の窓の扉が古き良き時代を思わせるコロニアル調の建築です。「ラインの館」や「ムーア邸」と同じ建築家がデザインしたとも伝えられています。

1階はカフェ&バー、2階は会員制のコワーキングスペース、レンタルスペースとして営業。長年使われてきた階段の手すりや暖炉の趣はそのまま、アンティークの家具を配して、ノスタルジックな雰囲気に。庭には樹齢120年の大きなソテツの木が立っているのも歴史を感じます。

運営するのは、大阪でコワーキングやフリースペースを運営する株式会社ROUGH LABO(大阪市西区)。「神戸は、神戸港開港以来、さまざまな文化、情報を発信してきた街。我々も、神戸らしいこの異人館から情報を発信して、神戸に新しい風を吹かせたいと考えています」と支配人の太田ふたばさんは話します。

訪れていた女性客は、「観光客しか入らないイメージの異人館ですが、ここは気軽にお茶ができてうれしい」と話し、観光客はもちろん、地元客も多いのだそう。通常メニューはクロスタータ&コーヒーor紅茶のセット1350円。またお酒も充実し、ビール800円やウィスキー800円などがラインアップ(18時以降のバー利用は予約制)。

爆発的人気となったのは、予約3カ月待ちというほど人気の「ジンジャーガーデン青山」(東京都港区)とのアフタヌーンティーコラボ。4月分は予約開始後に即満席となり、その美しい空間がまたたく間にInstagramを通じて広がりました。5月も急遽開催されることとなり約15分で満席に。6月以降は未定となっていますが、今後もさまざまな企画をおこなうとのことで、SNSは要チェックです。

2階のコワーキングスペース(1時間660円、1カ月利用33000円~)の利用者も多く現在は契約者が18組。撮影機材も常備したレンタルスペース(1部屋1時間7500円~)もウェディングドレスの撮影をする企業やカメラマンによるスタジオ撮影として人気なのだそう。今後は「地元神戸の企業さまとのコラボもしていきたいです」と太田さん。これからの魅力的な情報発信が楽しみです。

「北野メディウム邸」
住所:神戸市中央区山本通2-9-19 旧スタデニック邸
営業時間:カフェ(月~金)12:00~18:00、バー(木・金)18:00~23:00(公式LINEで要予約)、コワーキング(平日)10:00~21:00 不定休
電話:078-855-3900
INSTAGRAM https://www.instagram.com/mediumtei/

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