「どこで申し込むの?」「利用するメリットは?」訪問看護サービスについて医師がお答えします

ドクター備忘録

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 脳卒中の発症後、後遺症によっては通院がままならないことも。そんな時、自宅にいながら看護処置を受けることができるのが訪問看護サービスです。手続きの方法や、訪問看護を受けるメリットなどについて、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の吉田泰久院長に詳しく聞きました。

――脳卒中の場合の訪問看護では、どのようなことを行うのですか?

訪問看護では看護処置を行うことができ、たとえば自宅で点滴を打つことや、チューブを用いて栄養を補給する“経管栄養”という処置などを行うことができます。ほかにも、発熱時に病院の診察を受けた方が良いかどうかの判断をすることもありますし、健康相談にも応じます。

――訪問看護師の数は増えているのですか?

そうですね、最近は政府の方針としても”自宅で健康管理を行いましょう“という考え方になっていますので、訪問看護ステーションは増えてきています。とはいえ、人材は足りていないのが現状です。資格としては、病院に在籍している看護師と同じなのですが、緊急時対応が不可欠であったり、医師と相談しながら自己判断も求められたりするという点から、キャリアを長く積まないとなれないんです。

――どういった患者さんが受けることができるのでしょうか?

主に、脳卒中の後遺症を抱えているような、ひんぱんに通院することが難しい方が訪問看護を受けています。

――訪問看護は、元々通院していた病院で申し込むのですか?

いいえ、独立した訪問看護ステーションも各地に数多く存在していますので、緊急時でもすぐに駆けつけられるよう、近くのステーションでの利用を優先していただきます。基本的には介護保険を利用したサービスとなりますので、申し込みには要介護の認定が必要となります。そのため、まずは介護保険の認定を受けたあと、ケアマネージャーさんを通して訪問看護を受けていただきます。

――訪問看護のメリットは何でしょうか?

やはり、住み慣れた自宅でご家族の方と一緒に長い時間を過ごせることですね。

◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 /
1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。
診療科は、脳神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科

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