「めっちゃ速いやんあの軽四!」「ポルシェといい勝負」車好きにはたまらないジムカーナとは

小嶋 あきら 小嶋 あきら

 クルマの運転が好き、楽しいと感じる人にとって、自由自在にクルマを操れるということは憧れでしょう。思いっきり走れるということも、とてもうれしいのではないでしょうか。しかし普通の人にとって、モータースポーツというとハードルが高く、なかなかその世界に踏み入るのは難しかったりします。

 大阪の舞洲で「マイカージムカーナ」という、普段乗っているマイカーで気軽に参加できる競技会が定期的に開催されていると聞き、取材しました。

滑走路の跡地を思いっきり走る

 大阪湾の埋め立て地、舞洲には昔軽飛行機用の飛行場がありました。1990年代には航空ショーも開催され、落語家の桂文珍さんが自身の所有される軽飛行機で飛んでらした記憶があります。その後、飛行場は廃止され「空の広場」に。現在、草地の中にアスファルト舗装の広い直線道路があるのですが、これは滑走路だった名残です。

 空の広場では自動車のショーや試乗会、大規模なフリーマーケットといったイベントが開かれていて、マイカージムカーナもこの広いアスファルト部分にコースを作って開催されます。滑走路にコースを設定して全力で走る、なんとなくBBCのテレビ番組トップ・ギアみたいです。

軽自動車も真剣に戦う、マイカージムカーナの一日

 マイカージムカーナは大阪のQ’s株式会社が主催されていて、2022年は年間6戦が予定されています。3月20日はその第2戦、59台がエントリー、晴天の下熱い戦いを繰り広げました。

 

 朝9時からのブリーフィングの後、午前中は練習走行です。ゼッケン順に15台ずつ、次々とコースインします。ジムカーナは一台ごとの走行でタイムを競うものなので、コース上には常に一台しかクルマは居ません。抜いたり抜かれたり、デッドヒートというようなことはないのです。なので車同士の衝突、クラッシュはありませんし、また舞洲のこの会場はだだっ広いアスファルトと草地なのでコースアウトしてもほぼ安全です。

 

 お昼休みの後、クラスごとに競技に入ります。コースを二回走って、ベストタイムで競います。

 基本的にジムカーナはパイロンを置いてクルクルと走り回るテクニカルなコースなので、最高速度はあまり上がりません。しかし、タイムを縮めるためには素早い加速とダイナミックなブレーキングが必要で、さらに積極的にタイヤを滑らせてのスピンターンや、ときにはドリフトというような激しい走りもあるので、見ていてとても迫力があります。エンジンの唸る音、タイヤの軋む音、ブレーキングやホイールスピンで発生する白煙、タイヤの灼ける匂い。まさにレース場です。

 走っているクルマがまた日頃街で見かけるのと同じ乗用車なので、実感できるスピード感があります。レース専用車両とはまた違った、「めっちゃ速いやんあの軽四!」というような。

 そうなんです。このマイカージムカーナ、面白いことに「軽自動車クラス」があるんです。そしてまたそれが結構速いんですよ。この日のコースはだいたい平均が1分を少し越えるタイムで、1分を切ると「おっ、速いな」っていう感じだったのですが、軽自動車クラスの中にもほぼほぼ1分のタイムをたたき出す人が居て、ポルシェやテスラ、ロータスといった超速いクルマといい勝負をするんですね。クルマの差が決定的なタイム差にならない、まさにテクニックの勝負っていう感じが見ていて面白いんです。

 ただまあ、それでもやっぱり「速い車種」というのはあるようで、マツダのロードスターは概ねタイムが良いようでした。しかしこれもまたクルマの性能なのか、あるいはロードスター使いにテクニシャンが多いからなのかはわからないですけどね。

 

 普段街中で乗っているクルマで比較的気軽に参加できるマイカージムカーナ。丸一日クルマで思いっきり走り回って過ごす休日、とても楽しそうでした。皆さんも一度エントリーされてはいかがでしょうか。

 また、フォーミュラカーによるレーシングスクールも開講されています。この日もお昼休みにプロドライバーのデモ走行が行われました。もっと本格的にレースをしてみたい方には、こちらも楽しそうです。

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