「怪しい」と感じた求人情報のフレーズ…「アットホームな会社」「ノルマはありません」を超えた1位は

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2~3月は1年で最も求人数が多く、採用・転職活動が活発化する時期です。企業も転職者も互いに自身をよく見せようとすることも多いでしょう。「株式会社識学」が実施した「中途採用に関する調査」によると、「怪しいかもしれない」と感じた転職求人情報の言葉は、4割の人が「幅が広すぎる『給与額応相談』」と回答しました。また、「転職で後悔・失敗した経験」は、約6割の人が「ある」と回答していることがわかったそうです。

全国の従業員数5人以上300人未満の企業に勤める20歳~59歳の男女で、直近3年以内に転職をしたことがある人を対象として、2022年1月に実施された調査です。

はじめに、「転職活動をする際、企業のことを知るために参照した情報」について聞いたところ、全体では上位3位が「会社のホームページ」(60.7%)、「会社の採用WEBサイト」(26.0%)、「会社の評判、口コミサイト」(23.7%)という結果に。なお、採用時の想定役職別でみると、管理職(候補)採用の人は「会社の評判、口コミサイト」(30.0%)、「第三者機関による企業情報・株式情報」(17.0%)を、一般社員採用の人と比較すると高い割合で見ていることも分かりました。 

次に、「求人情報を見て、『怪しいかもしれない(甘い誘い文句だ、裏がありそうだ)』と感じた言葉について聞いたところ、最も多かった回答が「幅が広すぎる『給与額応相談(400万~1200万など)』」(40.7%)でした。次いで「アットホームな会社」(36.0%)、「ノルマはありません」(34.3%)と続きました。同社は「応募者に対し魅力的に見せようと給与額の幅を広く設定していることが、どのような人物を求めているのか不明で、むしろ不安や不信感を募らせているのかもしれません」と説明しています。

直近3年以内に転職した人を対象に、「転職で後悔・失敗した経験がありますか」と聞いたところ、58.7%の人が「ある」と回答。また、「ある」「どちらともいえない」と回答した人に「入社してから後悔・失敗したと感じたこと」を聞いたところ、全体1位は「組織の風土・文化が合わない」(48.2%)で、特に50代は6割近くの57.1%が回答しました。2位は「思ったより給与が低い」(46.8%)、3位は「上司との人間関係」(35.6%)という結果になったそうです。

転職で「こんなはずではなかった(思っていたのと違った)」と感じたことがあるかを聞いたところ、67.7%の人が「ある」と回答したそうです。具体的な理由・エピソードは以下の通りです。

▽ノルマはないと言われていたがノルマが過剰にあった(30歳、女性)
▽朝礼でのスピーチがマストでパワハラ気質な社風がつらかった(36歳、男性)
▽人間関係が最悪(50歳、男性)
▽職場の雰囲気が悪かった(34歳、男性)
▽会社の組織ができておらず、従業員のまとまりや責任感がない。自分勝手に業務を行うので毎日問題が発生していて、驚きの連続である(50歳、女性)
▽零細企業でコンプライアンスなんて存在しなかった(41歳、女性)
▽残業もほぼなく、休日も規定通りある為プライベートも充実することが出来ると言われ入社したが 実際は毎日残業は当たり前、残業手当はなく、休日も会社からの連絡などがありほぼ休みではない。気も休まらず、プライベートも崩壊している(30歳、女性)

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転職活動の際、「『入社後に自分に求められる結果』について企業側から説明を受けたことがあるか」を聞いたところ、管理職(候補)採用の人では51.0%と半数以上が説明を受けたのに対し、一般社員採用では29.0%の人しか説明を受けていないことが明らかになりました。

また、「『入社後に自分に求められる結果』について自分から質問をしたことがあるか」と聞いたところ、管理職(候補)採用では47.0%と約半数が「質問した」と回答しているのに対し、一般社員採用では29.0%にとどまっていたそうです。

「転職で後悔・失敗や『こんなはずではなかった』という思いをしないために選考段階で確認した人が良いと思うこと」を聞くと、全体のTOP3は、「実際の給与額」(48.7%)、「職務内容」(47.7%)、「経営状態」(44.7%)の順でした。

採用時の想定役職別にみると、一般社員採用では「職務内容」(53.5%)が1位で、2位「実際の給与額」(50.5%)、3位「賞与支給条件」(48.5%)とお金に関することが続いている一方で、管理職(候補)採用では「実際の給与額」と「経営状態」が同率1位で45.0%、次いで「自分に求められる結果」(39.0%)だったそうです。

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調査を行った同社は、「採用する企業は自社をよく見せようと、あえて曖昧な言葉を使って求人情報を記載することがあります。例えば、求人情報に『結果を出せば昇給』という記載があった場合、『どの仕事でどんな結果を出せばいくら昇給するのか』や『実際にこれまでどれぐらいの人数が昇給したのか』を確認することなどが有効でしょう」と説明。「企業の評判・口コミサイトや、第三者機関から出されている企業情報に掲載されている情報がすべて正しいとは限りませんが、情報収集の一環として適切に活用すれば、後悔の少ない転職ができる可能性が高まると考えられます」と述べています。

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