投資用ワンルームマンションを購入したけど…6割以上が「想定と現実にギャップ感じた」 損失が出ている人も3割強

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みなさんは「ワンルームマンション投資」をご存じでしょうか。不動産投資のなかでも比較的低資金で始めることができ、フルローンが組めることから始めやすいとされていますが、魅力的な話にはリスクも付き物です。

「一般社団法人クオーレ」が、2021年1月に新築ワンルームマンション(単身用)の投資経験者1010人を対象として、「投資用マンション・不動産投資の失敗談」に関する調査を実施しました。「投資用ワンルームマンション(単身用)を購入したきっかけ」は3割の人が「自ら興味があり問い合わせた」と回答した一方で、「投資のリスクを完璧に理解していた」と回答した人は約2割に留まりました。また、「購入前の想定とのギャップを感じた」と6割以上の人が回答しており、損失が出ている人も3割強いたそうです。

はじめに、「投資用ワンルームマンション(単身用)を購入したきっかけを教えてください」と質問したところ、「自ら興味があり問い合わせた」(30.8%)と回答した方が最も多く、次いで「職場に訪問や営業電話(不動産会社からの営業)」(26.0%)、「友人・知人の紹介」(22.1%)、「自宅に訪問や電話(不動産会社からの営業)」(20.9%)と続きました。

次に「購入時に受けた営業トークで当てはまるものを教えてください」と質問したところ、「少額の資金で始められる」(48.8%)と回答した方が最も多く、次いで「長期的に安定した不労所得が得られる」(47.0%)、「節税効果が期待できる」(43.6%)、「ワンルームの賃貸需要が高い」(38.9%)、「生命保険の代わりになる」(37.6%)と続きました。

また、「管理費や修繕積立金、税金など、購入後の将来的な費用についての説明は受けましたか」と質問したところ、「かなり詳しく説明を受けた」と回答した人は25.1%でした。また、「ワンルームマンション投資のリスクをしっかり理解したうえで購入しましたか?」との質問には、「完璧に理解していた」と回答した人は21.7%に留まりました。

さらに、「実際に不動産運用を始めてみて、購入前の想定とのギャップを感じましたか」と聞いたところ、「かなり感じた」(26.3%)、「少し感じた」(38.5%)」をあわせて64.8%の人がギャップを感じたといいます。

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【実際に不動産運用を始めて感じたギャップについてのコメント】

▽所有者として自分が対応しなければならないことがたくさんあった。災害等の被害で損失が大きかった(20代/男性/経営者・役員)
▽家賃収入が得られるイメージだったが実際はローン返済と相殺されて利益が少ない。利益が出るのは完済後の話(30代/女性/会社員(正社員))
▽家賃収入から銀行からのローンの支払いや管理会社への支払い等、差し引くとほとんど収入がない(40代/男性/公務員)
▽税負担や管理費の増額といった費用面の説明が不十分だったと気づいた。デメリットを隠して新築を押し付けられた(50代/男性/会社員(正社員))

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「ワンルームマンション投資で満足に利益が出せていますか」と聞いたところ、「かなり利益が出せている」(14.0%)、「少し利益が出せている」(52.2%)という結果に。「少し損失が出ている」「かなり損失が出ている」と回答した人も33.8%いました。

また、「損失が出ている原因を教えてください」と質問したところ、「空室状態で収入がない(なかった時期がある)」(39.3%)、「修繕費やリフォーム費で支出が多かった」(37.2%)、「家賃が下落してしまった」(34.0%)、「管理費・修繕積立金が値上がりした」(31.7%)』と続きました。

最後に、「所有しているワンルームマンションの売却を検討していますか」と質問したところ、「売却の予定はない」(37.5%)と回答したのは4割弱に留まる結果に。次いで「売却を検討しているが決めてはいない(査定に出していない)」(29.8%)、「査定に出したが条件を満たさず売却できていない」(14.0%)など、売却を考えている方が6割以上になったそうです。

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調査を実施した同社では、「ワンルームマンション投資はリスクを理解した上で購入したとしても、想定とのギャップによって利益を出せていないことから、すでに売却したり、売却の検討をしている方もいらっしゃいます」と説明。「ワンルームマンション投資に不安があったり、売却について悩んでいる方は、不動産投資に詳しい専門家の方に相談し、適切な対策をしていくことが大切です」と述べています。

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