瞬間接着剤をべたべたノズルで塗り拡げるのは…「困ります!お客様!」 メーカーがつぶやく「正しい使い方」に衝撃

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「お客様!!あーっ!!瞬間接着剤で!そのような塗り方は!!あーっ!!ノズルで塗り広げては!!ノズルが詰まる!原因に!!!お待ちくださいっ!!!!!」と、瞬間接着剤の使い方について訴えたセメダイン公式Twitterの投稿が話題を集めた。

実は接着させるためには、塗り拡げなくても、1滴だけ垂らして貼り合わせるだけで良いという。瞬間接着剤といえば、ノズルがよく詰まり、保存していた接着剤が使えなくなっていた記憶がある人も多いと思うが、その原因は「使い方」にあったという投稿に、「え!?やっちゃダメだったの!?」「私の塗り方が悪かったのですね…(反省)」と驚きの声が続々と寄せられている。5万以上の「いいね」を集めた投稿について、同社の担当者に聞いてみた。

――昭和の時代から間違った使い方をしてきたと告白する人や「そのままノズルを拭かずに蓋を閉めるまでが初心者セット(2敗)」などの失敗談が多く寄せられています。

「この投稿はたまたま知り合いの前で瞬間接着剤を使った時に、塗り広げるんじゃなく、ノズルから接着剤を垂らして点置きして貼る塗り方に驚かれたことがきっかけなんです。1滴だけ垂らして貼り合わせるだけで、接着剤が全体に広がってくっつくことが斬新に映ったみたいです。商品パッケージで説明されている使用方法なんですけどね。

Twitterでもこんなにも話題になるとは思っていませんでしたし、のりなどのように何気なく塗り広げてしまっているユーザーが多いことが改めて分かりました。これからもしっかり伝えていかなくちゃと思っています」

――少量で、しかも塗り広げない方が強力に接着されるそうですね。

「瞬間接着剤は空気中の水分と反応してすぐに固まっていきます。塗り広げるとその間に固まり始めてしまって接着する力が弱まることにもなりますし、何よりもノズルで塗り広げると詰まる原因になるため、次に使う時に液が出てこない結果になってしまいます。

接着剤にはそれぞれ特定の素材に強いもの、接着剤が固まっていく仕組み、仕上がりの出来具合など特徴があります。瞬間接着剤は量を塗りすぎると十分にパフォーマンスが発揮できませんし、振動や衝撃、水に弱い特徴があるので、それらに該当する場所で使うことも不向きです。また、硬化後白い粉をふいたような『白化』と呼ばれる現象が起こりますので、装飾品など見た目が気になるものには、はみ出ないように貼り合わせないと仕上がりが美しくなりません」

――投稿への反応の中には“熟練者”からのアドバイスもあって為になりました。

「接着できる素材が多岐にわたるためD I Yや手芸、プラモデルづくりにも活用されているので、使い方をマスターされている方も多いんです。先ほど説明したように、瞬間接着剤は水分(湿気)に反応して硬化するので本体に無用な水分がついてしまうと容器の中の液も完全に硬化して使えなくなること(チューブが完全にカチカチになったのがこの状態)をアドバイスしてくださった方もいます。本当にその通りで、メーカーとしてはノズルの先端を拭く時はウエットティッシュを使わずにキッチンペーパーや厚紙などを利用することをお勧めしています。

他にも、ティッシュペーパーなど染み込みやすい紙や布は高温で発熱することもあるので避けて欲しいですね」

――この瞬間接着剤には、他にもTwitterで話題になった情報があるんですね

「誤って手についた時の剥がし方ですね。時々、無理やり剥がしたりカッターを使うということをTwitterの投稿などで見かけるんですが、瞬間接着剤で皮膚同士がくっついた時はぬるま湯につけてしばらくモミモミするだけで解決するんです。こちらもたくさんの「いいね」をいただいて、多くの方に知ってもらえたみたいで嬉しいです」

――過去にもバズっている投稿があるとか

「接着剤のお役立ち情報や使い方などを紹介すると興味を持ってもらえるみたいで、多くの「いいね」やリツイートをいただくことがありますね。接着剤メーカーにとっては当たり前だと思っていることが、世間では知られていなかったり、驚かれます。

接着剤メーカーってお客様とふれ合える接点が少ないので、SNSは直接コミュニケーションがとれる貴重な場所なんです。数多く流れる投稿の中で、少しでもセメダインを知ってもらえたり愛着を持ってもらえたらと思い、堅苦しいものではなく、クスっと笑えるような遊び心のある内容にするように心がけています。多くの人に広くセメダインを受け入れてもらえたらすごく嬉しいです」

瞬間接着剤の間違い…多くの人が経験してきたことを今回の投稿は解決してくれたはず。とはいえ接着剤の世界は実は、まだまだ、奥深い。素材によって得意不得意があったり、水や熱の耐性度、室内用か屋外でも使えるのかなど様々な特徴があるうえ、用途が似ているものも多くて、知識が乏しいとホームセンターなどで種類の多さに圧倒されたり、どれがいいのか迷って分からなくなることも。

種類が多すぎて選び方にもコツがありそうな接着剤。失敗しない使い方、手や接着面以外についた時の対処法など「へ~っ、知らなかった」と思うことはまだまだありそうだ。

(まいどなニュース特約・上野 明子)

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