見かけたらラッキー!ライチョウ柄電車 富山の雪景色に「映える」「かわいい」 富山地鉄が運行

北日本新聞 北日本新聞

SNSに姿が連日アップ

真っ赤な車体に愛らしいライチョウを描いたラッピング電車「富山もようトレイン」が富山地方鉄道で運行を開始した。鉄道ファンのみならず、利用者や沿線住民らの注目度は高く、SNSには雪景色を走る電車の姿が連日アップされている。運行する路線やダイヤはランダムなだけに「見ることができたらラッキー」との声も上がっている。

ラッピング電車は、コロナ禍で気の重い日々が続く中、「鉄道を使って地域に明るい話題を提供したい」と考えた富山地鉄が企画。車体を覆うデザインは、富山の自然や文化を題材にしたテキスタイルデザイン「富山もよう」の一つで、国内外で活躍するデザイナーの鈴木マサルさん(東京)が一貫して手掛けている。

遠くからも一目で

ライチョウ柄は、「立山」や「白エビ」など、13種類あるもようの一つで、富山の田園風景に映え、山々のイメージにつながることから選ばれた。ライチョウが生息する立山・室堂の紅葉をイメージした赤をベースに茶色い夏羽、白い冬羽の愛らしいライチョウを大胆に配してある。遠くからでも一目で分かるデザインとなっている。

2両1編成で、路線やダイヤを固定せず、富山地鉄の本線、立山線、不二越上滝線の全線を走る。運行予定は3年間。富山もようをあしらった記念の1日フリー切符も発売した。

運行開始となる1月11日には、電鉄富山駅のホームで記念の式典も開かれた。富山地鉄の村井義治鉄軌道部長が「地域の魅力向上につなげ、多くの人にめでていただきたい」とあいさつ。運行に合わせて来県したデザイナーの鈴木さんが「富山もようは、地元で暮らす人たちに足元の良さを再確認してもらうきっかけを作ろうと始めたプロジェクト。生活の足となっている電車にラッピングされて感無量」と話した。富山地鉄の車両基地そばにある富山市稲荷元町保育所の園児や立山町のマスコットキャラクター「らいじぃ」が加わり、「出発進行!」の掛け声でテープカットした。

沿線の各駅ホームでは、利用客が鮮やかなデザインの車両に驚いた様子で、スマートフォンで撮影する姿があちこちで見られた。インスタグラムには連日、雪景色の中を走る電車のさまざまな写真がアップされ、ツイッターには「赤い車両が可愛かったですよ~ん」といった感想や、「これは運がいい!」といった”目撃情報”が幾つも投稿され盛り上がっている。

最高峰の出来栄え

ラッピングは、富山市稲荷町にある富山地鉄のテクニカルセンターで3日間にわたって行われた。ベースとなったのは「かぼちゃ電車」の愛称で親しまれている1編成2車両(モハ14769、モハ14770)。車体は単純な四角い箱のように見えて意外に曲面が多く、スタッフはシートに温風を当てて伸ばしながらぴったりと貼り付けていきました。ライト周りやドア付近など、構造が複雑な部分も丁寧に作業を進行。立ち会ったデザイナーの鈴木さんは「電車のラッピングとしては最高峰の出来栄え」と満足そうだった。

2月20日にインスタライブ

富山地鉄は県東部を中心に運営する私鉄で、地域で暮らす人々の暮らしの足として親しまれている。営業キロ数は、鉄道線が93.2キロ、路面電車が15.2キロの計108.4キロで、関東の東急、関西の京阪に匹敵する総延長となっている。

2月20日午後3時からは、デザイナーの鈴木マサルさんをゲストに招いたインスタライブを行う。SNSにアップされた富山もようトレインの写真を紹介しながら沿線の魅力を伝える。富山もようのアカウントから参加できる。富山地鉄ホテルでは、運行を記念した1日フリー切符付きのお得な宿泊プランも用意している。

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