動物園のモフモフ団子にほっこり 「激かわだな」「見事な押しくらまんじゅう」「混ざりたい」

太田 真弓 太田 真弓

1月も中旬に入り手足も凍るような寒い日が続く中、ほっこり温かい気持ちになる1枚の写真がTLに流れてきました。

「本日、お昼過ぎから一気に #雪が降り始めました。寒いです そんな時は、在りし日の #ハイラックス団子で温まりましょう。特に、左下あたりが暖かそうです。」と投稿された写真。モルモットに似た小動物であるハイラックスが集団で集まって体を寄せ合う姿や暖かそうな毛並みの様子に、

「激かわだな(´▽`*)ウフフ」
「団子の仲間入りしてみたい~♡」
「左下のココ開いてるよって隙間を開けてくれてる様に見えますw」
「見事な押しくらまんじゅう。密ですな」
「まざりてぇ!」
などの感想が寄せられ、ご覧になった方々をキュンキュンさせている様子。

左下のハイラックスなんて笑っているようにも見え、とても微笑ましいです。こちらは広島市安佐動物公園【公式】さん(@asa_zoo)がツイートしたもの。詳しいお話を担当の方に伺ってみました。

ーーぎゅうぎゅうに集まった姿となんともいえない表情に癒されました。このハイラックスについて教えてください。

本園で飼育されているケープハイラックスは、全長約40cm、体重約3kgほどの小型の哺乳類です。その姿から、ネズミの仲間だと間違われることも多いのですが、「ハイラックス」という仲間で独自に進化してきました。

しかも骨格や遺伝子などからゾウの仲間に近い動物だと考えられているんですよ!1974年に初来園し、1978年の初繁殖から群れ展示を継続してきました。現在は65頭いるのですが、本園が再整備工事中であり仮獣舎で飼育中のため、残念ながら当面の間は、非公開なのです。

ーー非公開なのですね(泣)。残念すぎます…。こちらのツイートのお写真はいつ頃撮影されたものでしょうか?

2014年12月6日に旧ハイラックス舎で撮影されたものです。ハイラックスは2019年5月9日から仮獣舎で飼育されています。

ーーなぜこのようにぎゅうぎゅうに集まるのでしょうか?

ケープハイラックスは哺乳類でありながら、体温が外気温に比較的影響されやすく、体温調節の能力が高くない動物です。したがって、寒いときは群れの中で「ハイラックス団子」を形成し、体温が逃げにくいようにしていると考えられます。

ーー「ハイラックス団子」は何体くらいで形成されるのですか?

この写真では20頭以上はいますが、場合によります。

ーーこのような状態になっている姿を見た時の印象は?

特に押しつぶされている個体を見ると思わず笑ってしまいます。ただ、形成する頻度は飼育下ではあまり高くなく、今の仮獣舎ではなかなか観察できなくて…。

というのも、おそらく暖房設備が整備されたことで近年なかなかあのような大規模な「ハイラックス団子」が観察されないのです。仮獣舎の構造のせいか集まっていても飼育係がくるとすぐに分散してしまうので撮影が難しいんです。

ーーではあのツイートの写真は貴重な「ハイラックス団子」なのですね!

最近唯一それっぽかったのが、先日投稿した「ハイラックス鏡餅」です。

ーーううう…表情といいフォルムといい申し分ないです(嬉)。いずれ公開された際、来園される方に向けて観察ポイントなどはありますか?

群れの中での子育てする様子や発する警戒音などそれぞれの個体の動き、のんびりしている時とすばしっこく動く時の緩急にご注目ください。

ーーぜひ注目して観察してみたいです!また2021年に開園50周年を迎えられたそうですね。これからの見どころや来園者の方々へのメッセージなどあれば…。

本園は春はサクラ、ツツジ、フジなどの花木が咲き乱れ、夏は緑の木陰、秋の紅葉、冬は雪上に残された動物の足跡など、四季折々の楽しさにあふれています。

広々とした公園、のんびりとした動物の姿は人々の心をなごませ、明日の活力を生み出すやすらぎの場として愛されています。再整備に関する非公開動物は現状ケープハイラックスのみですので、ぜひ足を運んでいただき園内をすみずみまで散策してみてくださいね。

◇  ◇

広島市安佐動物公園ではブログでも「忘れないでね、ハイラックスのこと」と題しハイラックスについてあれこれ紹介中。お目見えまではしばし公式Twitterなどでその愛くるしさを見守っていきたいですね。

■広島市安佐動物公園公式サイト http://www.asazoo.jp/
■飼育係のasazooブログ! http://www.asazoo.jp/animal/blog/
■オフィシャルTwitter https://twitter.com/asa_zoo

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