6歳の息子がマフラーを編んで販売 母「未就学児の可能性に感動」高級レゴ欲しかった

宮前 晶子 宮前 晶子

子どもを育てていると、「いろいろな体験をさせたい」と思いますよね。でも、子どもが夢中で取り組んでいることやチャレンジしようとしていることに対して「無理無理!まだそんなことできないよ」と否定的な言葉をかけてしまったこと、ありませんか? それ、もったいない! 子どもの可能性を狭めているかもしれません。

この冬、絵本作家・アーティストとして活動するBoojil ブージルさん(@Boojil)が、「6歳の息子が高級レゴ欲しさに趣味の編み物でマフラーをすべて一人の力で作り出し、初めてお店で展示販売してみた。初日に3本、友達のお母さんが買ってくれて、オーダーが3件もはいった。未就学児の可能性に母は感動しています」とTwitterに投稿。

そこに掲載された写真はユニークな色づかいでハイクオリティな仕上がりのマフラーたち。センスの良さを感じさせるマフラーを編んだのが6歳の男の子ということ、お店で売ったらあっという間に売れて、しかもオーダーもあったということに、多くの人が驚嘆しました。

「とってもとっても可愛いマフラーに度肝を抜かれました…」
「息子さんの温かみが滲み出ている作品だと感じました」
「子供を働かせるのはって言う人もいるけど、自分で作ったものを、他の人が喜んで使ってくれるって普段はない体験なのでいいですね」
「自分の手で全て編んだマフラー。一つ一つに個性があふれて、買った方も喜んでらっしゃると思います」
「高級レゴを買うのにこれだけ大変な思いをするんだなって思えたらより大切にも出来そうですし、金銭感覚もしっかりしそうですし最高ですね」
「海外のレモネード作って売る子供たちを思い出しました。体験や経験って大切だから、素晴らしいと思います!」
と、次々と男の子の行動力とともに、その作品の完成度に驚く感想が相次ぎました。

「こんなにたくさんの人からコメントが来るなんてうれしい。みんなありがとう」と話すのは、マフラーを編み上げたご本人、かんちゃん。お母さんのBoojil ブージルさんも、「気軽な気持ちでつぶやいたことに、多くの反響をいただけてたいへんうれしく思います」と口を揃えます。

アナログレコードが好きでDJごっこを楽しんだり、絵を描いたり、野球をしたり、ダンスをしたりするのが大好きなかんちゃんが、編み物制作に夢中になったのは身近にある廃材を使った編み物を保育園で教わったのがきっかけ。

おうちでも、真剣に手を動かす姿、色合わせに「わたしより編み物がうまいじゃないか!」と感心したBoojil ブージルさんが自身が営むイベントスペース『東京おかっぱちゃんハウス』で販売することを提案したそうです。

「実は、高級レゴが欲しいと言われていたのですが、プレゼントとして与えるのはどうなんだろう?と悩んでいたんです。そのタイミングで息子が作ったマフラーのクオリティの高さを目にして、自分の作ったものを売って、その収入で買ってみたらどう?」と提案。1つ作るのに約6時間、材料費300円かかることから、値段は2000円に設定したそうです(時給換算すると283円)。

「売れるか売れないか心配だった」と揺れ動いたかんちゃんですが、ブランド名は自分の名前と何でもできるよの思いを込めて『CAN』と命名。折り紙でPOPも作るなど本気モードでお店に出したところ、大好評! 

購入したお友だちや大人の人がマフラーを巻く姿に、「夢みたいだと思ったし、大好きな友達がつけてくれてうれしい。みんな似合っててかわいかった」。編んでいる時の心境を聞いてみると、「うれしい気持ち。どんどん出来上がっていくのが楽しいし、面白い」とのこと。

子どもがやりたいようにやる、上手にサポートするのは難しいものですが、「好きなものが自分自身の幸福感に繋がればいいなと見守っています。息子の力試しに対して、様々な経験の機会を与えることが親のできることだと感じています」とBoojil ブージルさん。自身も、周囲の反対を押し切り、イラストレーター、絵本作家として「好き」に無我夢中で取り組んできた経験があるからこその言葉です。

まだまだ冷めやらぬかんちゃんの編み物熱をそっと見守るBoojil ブージルさんですが、その視線はたくさんの子どもたちにも。2022年には、『東京おかっぱちゃんハウス』でこどもたちが制作した絵や工作をアート作品として発表できる機会を持とうと計画中です。

「どんな家庭で育ったこどもにも絵を描くことはできます。それはわたしが途上国のストリートチルドレンと絵を描いて遊んだ経験から学んだことです。自分の作り上げた作品に前向きな感想をもらったり、販売して自分の暮らしを豊かにする財産になったり、そのような機会がこども社会にあってもいいと思うんです。それがコミュニケーションを生み、最終的にその子の将来の糧になる人徳や、道徳心を支える機会になればうれしいです」。

「子どもだからできない」「子どもなのにすごい!」「子どものクセに」…、わたしたち大人が知らずしらずのうちに使ってしまっている言葉は、子どもはもちろん大人の視野も狭めてしまうのかも。2022年は、否、これからは、そんなバイアスをかけずに子育てをしていきたいですね。

またアーティストBoojilさんは、アーティスト、絵本作家として活躍。世界各国をひとりで旅した経験から生まれたカラフルでピースフルな作風で、 テレビ番組のアートワークやプロダクト、広告、雑誌などの媒体を中心にイラストレーションを手がけています。著書『おかっぱちゃん旅に出る』(小学館文庫)がNHK Eテレでアニメ化、放映され話題に。メキシコ留学で先住民族から民芸品作りを学び、帰国後、コミュニケーションを目的とした、イベント&レンタルスペース「東京おかっぱちゃんハウス」を東京練馬区にオープン。名前の由来やエピソードから描くオーダーメイドネームアートのギフトサービス「ONLY ONE NAME」の代表を務めています。

【Boojil ブージルさん関連情報】
■Twitter https://twitter.com/boojil
■Instagram https://www.instagram.com/boojil/
■ONLY ONE NAME https://www.onlyonename.art
■Boogil公式サイト http://www.boojil.com

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