河川敷で保護されビクビクしていた兄弟猫 2匹仲良く同じおうちへ「多頭飼いにして本当によかった」

渡辺 陽 渡辺 陽

河川敷にいた野良猫たち

ユンユンちゃん、ヤンヤンちゃん(1歳2ヶ月・オス)は、野良猫の子猫だった。2020年11月1日、埼玉県の保護団体のボランティアは、河川敷で暮らす数匹の猫たちのTNR(野良猫を捕獲、不妊・去勢手術を行った上で、元の場所に戻すこと)をしようとしていた。捕獲機を仕掛けるとキジトラの子猫が1匹(後のユンユン)が入った。翌日、同じ場所で兄弟だと思われる子猫たちがうろついているという情報を耳にして、再び保護に向かい、今度は3匹の子猫を保護することができたという。そのうちの1匹がヤンヤンちゃんだった。4匹の子猫たちは里親を募集した。

2匹とも飼ってみたい

埼玉県に住む金親さんは、その保護主を以前から応援していて、いつもブログなどを見ていた。お姉さんの家でも猫を飼っていて、その猫を譲渡してくれたのがこの保護主だったという。

「とても親切でしっかりしている、猫が大好きな人だったので、もし里親になるならこの方のお世話になろうと思っていました」

金親さんは、一人暮らしを始める時に、里親募集はしていないかチェックしてみた。ちょうどユンユンちゃんの里親募集が始まったところだった。

「ブログに掲載されていた愛くるしい表情の写真に一目惚れして、すぐに声かけました」

11月14日、保護主の家を訪問し、ユンユンちゃんを迎えることにしたが、金親さんは他にも気になる子猫を見つけた。

ユンユンちゃんの兄弟猫だった。なかでも奥の方でじっとしている小柄な子、ヤンヤンちゃんが気になった。

「人馴れしているユンユンと違い、全く触らせてくれない感じで、小さな猫でした。ユンユンとは仲良く遊んでいたようです」

同行した姉や保護主さんに相談したところ、2匹一緒の方が飼育しやすいと多頭飼いに賛成してくれたという。

「兄弟一緒なら臆病なヤンヤンも安心だと思い、周りの後押しもあってその場でヤンヤンも迎えることにしました」

もしも寒空の下、外にいたら

金親さんは、実家にいる時いつも猫を飼っていた。一人暮らしをすると決めた時、猫がいない生活は考えられないと思い、猫が決まっていたわけではないがペット可の物件を借りたという。以前から保護活動に関心があり、保護猫を迎えることが今の自分にできることだと思っていたため、ユンユンちゃんとヤンヤンちゃんを迎えたという。

11月28日、保護主が2匹を連れてきてくれた。とても寒い日の夜だった、「この寒空の下、外にいたらと考えると…改めて保護されて本当に良かったと強く思いました」

2匹は緊張していた。特にヤンヤンちゃんはかなりビクビクしていた。しかし、お兄ちゃんのユンユンちゃんと一緒だったので、思ったよりスムーズに家に馴染めたという。金親さんが飼い始めてまだ1年ほどしか経っていないが、ユンユンちゃんはもちろん、ヤンヤンちゃんもすっかり懐いている。

「2匹揃ってお迎えしたから、早く人に慣れたじゃないかなと思っています」

多頭飼いにして良かった

ユンユンちゃんは、誰とでもすぐ打ち解けられる社交的なタイプで、物おじせず、何にでも興味津々。ヤンヤンちゃんは臆病で、人が来ると物陰に隠れてしまうが、金親さんにはユンユンちゃんよりベッタリ甘えてくる。

金親さんが帰宅すると、まず弟のヤンヤンちゃんが膝に乗って甘えてくる。寝る時はユンユンちゃんがベッドの中に入ってきてグルグル鳴いて、子猫のようにふみふみする。

「甘えたいけど、弟の前でそんなそぶりを見せないユンユンにほっこりしました」

多頭飼いは初めてだったが、じゃれあったり仲良く遊んでいたりするので、留守にする時も安心なんだという。

「性格は違いますが、ユンユンとヤンヤンは、よく寄り添って寝るくらい仲良しなんです。いたずらする時も一緒にします(笑)可愛さも2倍だし、多頭飼いにして本当によかった。ユンユンとヤンヤンも楽しそうです。」

金親さんは、お給料が入るとすぐに猫グッズを買ってしまうくらい猫中心の生活を送っているという。

「仕事で嫌なことがあっても、ユンユンとヤンヤンが癒してくれるので、すぐに元気が出ます。この子たちのために頑張らなくては!と、自然にやる気が出るようになりました」

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