靴ではなく「中敷」が2万円超え!? 2.3万足販売で、静かにブレイク中のオーダーインソールとは

松田 義人 松田 義人

 

靴の中敷=インソール。一般的には靴に対するサブ的な見方をされる人が多いと思いますが、このインソールのオーダーメイドが静かにブレイク中なのだそうです。

インソールと靴の専門店「足道楽」で販売されているインソールは、足骨の骨格のゆがみを矯正し歩きやすくするもので、定価24980円と高額にもかかわらず、約3年半で累計2.3万足も売れたそうです。これは一体どういうことなのでしょうか。「足道楽」を運営するビーズラボ社長の三河尚さんに聞きました。

10万人以上の足を見てきた知見によって生まれるオーダーメイドインソール

 

そもそも2.3万足ものヒットを実現したオーダーメイドインソールの先駆け「足道楽」では、2008年の開業以来、10万人以上の足を見てきたそうです。そのベースとなるのはアメリカの足病医学としたもので、日本人向けに改良をし、個人ごとに違う「足」によりそったオーダーメイドを行うのだそうです。

「弊社のオーダーメイドインソールは、独自の『3層構造』で特許を取得しているのが最大の特徴です。2層目のコルク部分に、ある程度クッション性があるものの上層下層ともに比較的硬さのある素材を使います。そうすることで、踵を包み込むようにホールドし、足裏の形がつぶれないように固定。立った際に、足首周りの骨格を、足本来の形に合った正しい位置に戻します。

このインソールを使い続けることで、歩行姿勢が安定し、膝痛や腰痛、外反母趾や偏平足などの足の悩みの予防、改善につながります。もちろん、お家時間を過ごす際にもスリッパに同商品を入れ、自宅での足をケアするのにもオススメです」(三河さん)

「足道楽」で扱うインソールにはこのようなオーダーメイド型のブランド「ビュートラル」のほか、元オリンピック選手や日本代表選手をはじめとするアスリート愛用者も多い、アメリカ足病医学協会認定のものもあるそうです。

「いずれも、足や歩行に悩みを抱えている方にオススメですが、特にシニア層の方には最適です。弊社のインソールは利用者の中には、歩行困難な方が歩けるようになるなど、スムーズな足運びや体重移動を可能とし、歩いている際の足・膝への負担を軽減するのが特徴です。

また、スポーツ愛好家、成長痛と呼ばれるオスグッド病の痛みを抱える子どもたちにも是非使っていただきたいですね」(三河さん)

たった30〜45分で完成する「世界に一つだけのインソール」

 

しかし、確かに2.3万足の販売実績はすごいと思いつつ、インソールのオーダーを体験したことがある人はなかなかいないもの。そのフローについても聞いてみました。

「まず、全身の骨格や筋肉に深い知識を持つ専門スタッフが、お客さまの足の痛む部分や普段の悩みなどをヒアリングするとともに、足の可動域や形状、硬さなどを触診で確認します。

次に、足の形状を測定します。体重でつぶれた状態の足の形ではなく、足本来の形に合わせてインソールを作るのが『足道楽流』なのですが、この理由から立った状態で足の形状測定やインソールの成形は行いません。椅子に座っていただき、足を浮かせた無加重の状態で、専用器具を使い片足ずつ長さ・横幅など、足本来の大きさをまず測ります。純粋な足裏の形に合わせたインソールにすることで、本来の正しい姿勢を取り戻し、立った時の足首の歪みを矯正することを目指すからです。

次に、形状測定後は、体重がかかっている足の部分や歩き方の癖を調べるため、手型ならぬ『足型』をとり、足圧(足裏の圧力)のかかり方のクセを見ていきます」(三河さん)

 

 ここまでがオーダーメイド・インソールの第一段階のようですが、さらに具体的な「インソール作り」に入っていくのだそうです。

「インソールは3層構造(上層・中間層・下層)で、特許を取得しています。最大の特徴は中間層で、一定の高温下で自在に変形するコルク素材を使用しています。

コルクを180度に設定したオーブンで熱し、粘土のように柔らかくし、上層(複合素材)のかかと部分の外側に沿わせるように貼り付けます。そのコルクが熱いうちに、指でこねるようにして、各人の足裏の形に合わせて変形させます。

次にコルクの形が整ったら、その上から下層(樹脂素材)を貼り合わせ、足裏に当てながら、インソール全体を最終成形していきます。

最終成形時も、高い椅子に座り、足を地面から浮かせた状態(無加重状態)で行います。その際、足首から下全体をビニール袋で包み、袋の中の空気を抜きながら真空状態をつくります。足本来の形にインソールが吸い付くような状態を保ち、コルクが固まるのを3分ほど待ちます。

最後にインソール自体の長さを調整すれば完成です。土踏まずのくぼみに沿い、踵を包み込む、足本来の形にピッタリ収まる『世界に一つだけのインソール』が完成します」(三河さん)

かなり念入りに作られていることがわかりますが、ここまでの工程、ちょっと面倒な感じもします。しかし、聞けば「足道楽」では、ここまでの時間はたった30~45分。そのまま店内で自分だけのインソールを完成させることが出来るのだそうです。

すでに「不調」の実感がなくても、インソールをオーダーする人も?

ここまでに紹介した通り、「足」「歩行」になんらかの不調がある人にはピッタリだそうですが、特別不調を感じない方でも、加齢などで進みやすい「足の骨格・関節の歪み」をサポートするために、オーダーする人がいるのだそうです。

「すでに不調がある方はもちろんですが、まだ体の各所に痛みが出ていない方でも、インソールを入れてしっかり足元を支えることにより、加齢などで起こりやすい不調・痛みを防ぐことができるはずです。インソールを入れることで姿勢が良くなり、気持ち良く歩いたり走ったりすることもできます。是非一度『足道楽』の店頭でご相談いただければ幸いです」(三河さん)

 

筆者もつい先日、あまりに背中が痛いので整形外科に行ったところ、「長年の姿勢が悪かったせいで、椎間板がいくつも潰れている」と診断されました。さらにその数週間後には、足裏が急にカサカサし、今度は皮膚科に行ったところ、「長年の姿勢が悪かったせいで、足裏にクセのある圧がかかっている」と診断されました。確かに「足」は体全体を支える重要な部位です。特にシニア以上の人、すでに歩行や足に不調を感じている人にとって、オーダーメイドのインソールで、改善することがあるかもしれませんよ。

足道楽 https://www.ashidoraku.com/

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