「兄弟離れ離れにしなくてよかった」譲渡センターから迎えた子猫、家庭円満のきっかけに

渡辺 陽 渡辺 陽

譲渡センターに行ってみよう

ごんぞうくんとちょびくん(2歳4カ月・オス)は兄弟猫。子猫の時に保護されて佐賀県の譲渡センターにやってきた。

佐賀県に住む大久保さんは、知人から譲り受けた犬を飼ったり、迷子なのか捨てられたのか分からないが、ガリガリに痩せ細った犬を保護して飼ったりしていた。

「毎年たくさんの犬や猫が殺処分されているので、1匹でも救えたらと思うんです。捨て犬や野良猫は想像を絶するほど悲しい思いをしているので、そういう子を率先して飼いたい、癒してあげたい。ペットショップやブリーダーから買おうと思ったことはありません」

大久保さんは犬派で、幼い頃から5匹の犬と暮らしてきたが、以前勤めていた職場の人が譲渡センターから猫を引き取ったことをきっかけに譲渡センターに行ってみることにした。

お迎えしようと思った2匹は兄弟だった!

初めて譲渡センターに行って、初めて猫と触れ合った大久保さん。それまで持っていた猫のイメージが激変したという。

「猫ってツンデレで気まぐれなイメージがあったのですが、1匹だけ私の膝の上から離れず、ピッタリくっついていた子がいたんです。『絶対にこの子がいい!』と思いました。その子がちょびです」

同居している母親に「この子に決めた」と連絡したが、そばにいた黒猫の子猫のことも気にかかり、「1匹だけじゃ寂しいだろうから2匹飼おう」と一緒に迎えることにした。手続きを進めると2匹は兄弟だということが分かり、大久保さんは「これは運命だ!兄弟離れ離れにしなくてよかった」と喜びとともに安堵した。

家の中を元気に探検、遊び疲れて爆睡

10日後、2019年10月27日、2匹を車で迎えに行った。譲渡センターから家までの道中、不安だったのか兄弟揃ってずっと鳴いていた。家に着くと全く物おじすることなく、キャリーバッグの中から飛び出てリビングを探検し始めた。

「カーテンに登ってみたり追いかけっこをしたり、とても元気な様子で、遊び疲れるとソファーに座って様子を見ていた私の膝の上で寝てしまいました。起きるとご飯をもりもり食べて、トイレもすんなりしました。今まで犬しか買ったことがなかったので、しつけもしないのに家の中でトイレができるなんてすごすぎる!と思いました」

ごんぞうくんは身体が小さいのに頭が大きく、おでこがゴンっと出っ張っているように見えたので、ごんぞうくんとお母さんが名付けた。ちょびくんは手足に白いソックスを履いているようで、雰囲気にピッタリだと思いちょびくんという名前にした。

猫を迎えて平穏な毎日に

ごんぞうくんはお地蔵様のように優しくてどっしりした感じ。物おじせず、悟りを開いているように見える。

「番犬ならぬ番猫のような猫で、玄関やみんなを見渡せる位置に陣取っています。今、8匹の猫と暮らしていますが、まるでみんなを守ってくれているかのよう。でも、他の猫がいない時は猛烈に甘えてくるんです。そーっと寄ってきて、どてーん!と豪快に横になって撫でてと言うのですが、その健気さが愛おしいんです」

ごんぞうくんには欠かせないルーティンがあり、毎朝必ず大久保さんとお母さんを起こしにくる。遠慮がちに頭上をうろうろするが、寝坊をすると、顔の真横にドンっと座ってじっと見つめてくる。

ちょびくんはまるで犬のような甘えん坊。家族だけでなく、誰にでもスリスリベタベタする。「お客さんから連れて帰りたいとよく言われます。可愛いと言われるのですが、ものすごく嫉妬深い一面もあります」

ちょびくんは自分が一番でないと気が済まない。ヤキモチのスイッチが入ると、プイッとそっぽを向いたり、手の届かない高いところに行って拗ね、なんとしても目を合わせてくれなくなる。

後から猫を迎える時に大久保さんは「大丈夫かな」とちょっと心配したが、一旦受け入れるとちょびくんは優しいお兄ちゃんに。今では子猫たちが一番懐いているという。

ごんぞうくんとちょびくんを迎えて、大久保家は家族の会話が増え、ギスギスすることがなくなったそうだ。
「疲れた時や落ち込んだ時は最強の癒しになってくれます。可愛がれば可愛がるほど表情が豊かになってきて、家族みんなが笑顔になれます」

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