【漫画】「ありがとう」を口にしなかった夫が「ありがとう」と言うまで 見守ることを選んだ妻に「気持ちが救われた」

竹内 章 竹内 章

「以心伝心でわかってほしい」という向きもあるかもしれませんが、言葉でしっかり気持ちを伝えるって大事ですよね。お互いの理解が進んだはずのパートナーとの間でもそれは同じこと。「ありがとう」を口にする習慣がなかった夫が、それを言葉にするまでを描いた漫画がSNSで読まれています。簡単かつ素敵な魔法の言葉、あなたは一日に何度「ありがとう」と言っていますか。 

単行本「漫画家と異星人」が発売中の漫画家のことり野デス子さんが、Twitterで公開した漫画が1万4千のいいねを集めるなど話題です。

「我が家も旦那が素直に言わなかった。恥ずかしいのか「サンクス!」と言ってくる(笑)でも10年たった今多少は「ありがとう」を言うようになりました」
「北風と太陽を思い出しました」
「うちは「ありがとう」ではなく「すみません」って言われるんです」
「まさしく今こんな状況です。素敵な漫画に出会えて気持ちが救われました」
「これは仕事の上でもあるかもですね…」

エピソードが続々寄せられました。同じようなことを感じたり、中には悩んだりしている人も少なくないのかもしれません。

パートナーと一緒に暮らし始めて数カ月がたったころ。朝食のテーブル上にパートナーのコップがないことに気づき、キッチンから持ってきたことり野さんがコップを目の前に置いてあげます。が、彼は無言で朝ご飯をもぐもぐ。「ありがとうを言わない人だったんだ…」。結婚前は気づかなかった一面に衝撃を受けます。

「ありがとうってすごく大事なコミュニケーションでは!?」と考えることり野さん。一方、言葉にしなくても良い関係もあることを思います。悪気があって、言わないのではないことは当然分かっています。でも、やっぱり「ありがとう」が欲しい。そのために取った行動とは…。「受け取りたいものはまず自分がたくさん贈ろう」。最後のひとコマに描かれたせりふが、心にしみる人は多いのではないでしょうか。ことり野さんに聞きました。

―この漫画へのパートナーさんの感想が気になります

「『結婚した当初、ありがとうって言ってなかったよね』と言ったら、『え?僕はありがとうって言うよ…?』と記憶が塗り替えられていました。もともと言ってなかったことも、変化したことも意識にないようです。今では反射で『ありがとう』と言ってくれます」

―「ありがとうを言わない」の他にもびっくりしたことはありましたか

「(自分が)掃除をしてないのに家が汚れないことを不思議に思っていたそうで、さすがに私も驚きました。『勝手に綺麗にならないよ!私が掃除したんだよ!』と伝えました。自分で掃除しようとしても、埃がなくて謎に思っていたそうです」

―…衝撃です

「良い驚きもあります。夫は朝昼晩、バランスのよい健康的な食事に気をつけていたことです。私は逆にあまり野菜を食べない不健康な食生活だったので改めなきゃと教えられました」

―「自分が受け取りたいものはまず自分がたくさん贈ろう」と考えるのは

「自分の中で気づいたことです。うちは両親が結構言い合うような家庭だったので、反対のことをしているのかもしれないです」

―漫画が広く共感されています

「私はもともと気持ちを伝えるタイプなので、ありがとうが夫に伝染しなかったら、直接言っていたと思います。だから『ありがとうって言って欲しいな』と伝えられる関係も素敵だと思います。今回、見守ることを選んだのは、ありがとうの心地良さを感じてほしかったからです」

―一日に50回は「ありがとう」と言うとか

「『(相手が)ありがとうって言ってくれないから私も言わない』という考えもあるかもしれませんが、自分の良さを無くしてしまうのはもったいないです。問題はいったん置いといて、まずは私は私であること。なりたい自分でいることが一番幸せだと感じます」

 ◇ ◇

画家、イラストレーターのことり野さんは、数学者のパートナーと猫のふーちゃんとの日常を漫画に描き、SNSやブログ「ことりと異星人」で連載。2人のなれそめを描いたエピソード「漫画家と異星人 漫画家が婚活で数学者と出会った話」が書籍化されています。2巻はネット婚活で出会った漫画家と恋愛経験無しの数学者が、結婚に向け一緒に暮らす準備を始めるほっこりストーリーです。

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