脳卒中を予防する効果的な運動とは 朝のウォーキングやジョギングはOK? 医師に聞く

ドクター備忘録

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 突然起こる脳卒中を予防するために、日常生活でできること。それは、無理なく続けられる運動だといわれています。神戸市兵庫区の吉田病院付属脳血管研究所・吉田泰久院長に詳しく話を聞きました。

――運動は、脳卒中の予防に効果的なのでしょうか?

はい。脳卒中のリスクを高める危険因子は生活習慣病と考えられるため、生活習慣病を予防・改善することが大切です。そのためには適度な運動が有効で、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を続けると良いでしょう。ただ、激しい運動はかえって体に負荷をかけてしまうので、無理のない範囲で行ってほしいですね。

――例えば、ウォーキングは朝に行う人と夕方や夜に行う人がいますが、どちらの方が良いのでしょうか?

1日の中で気温差が大きい時間帯は避けた方が良いですね。ですから、夏は日中を避けて朝夕の涼しいときに。一方、冬は気温が上がり少し暖かくなってからの方が安全です。

――運動中に突然倒れてしまうというケースもあるようですね。

はい。張り切って運動し、体に強いストレスをかけてしまうと心筋梗塞や急激な不整脈を起こすことがあります。また、先ほどお話した気温差の大きい時間帯に運動を始めて血圧が急上昇し、脳出血を起こした事例もあるのです。

――そもそも、脳卒中はどういう人がなりやすいのでしょうか?

いわゆる生活習慣病を持っている人ですから、一番は高血圧、そして糖尿病や肥満、メタボリックシンドローム、たばこを吸っている人もリスクが高いと言われています。

――運動中の事故を防ぐためには、どんなことに気をつければよいでしょうか?

まず、体調の悪いときは運動を中止してください。そして、運動する時間帯に気を配ることです。また、運動を始めるときは準備体操などから行い、徐々に脈を上げていくように段階を踏むことも心がけていただきたいですね。

――急に環境を変えたり、体に負荷をかけたりしないことがポイントのようですね。となると、運動を止める時にも注意が必要でしょうか?

そうですね。少しずつ呼吸や脈拍を整えてから終了するのが望ましいです。整理体操やストレッチもおすすめです。運動前後に脈拍をチェックし、運動中もこまめに体調を確認しながら行うようにしましょう。

◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 /
1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。
診療科は、脳神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科。

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